学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ E. 皮膚科疾患 / Q1407

理由で解く 臨床医学各論

Q1407 その他の領域

出典:鍼灸 第33回(2025) 問題52
問題
小児のアトピー性皮膚炎について正しいのはどれか。
選択肢
1 皮膚のバリア機能が亢進している。
2 湿疹は四肢大関節の屈側に認めることが多い。
3 Ⅲ型アレルギーが関与している。
4 抗ヒスタミン薬の内服が第一選択である。
解答
正解2(湿疹は四肢大関節の屈側に認めることが多い)
解説
✗ 1. 誤り
皮膚のバリア機能が亢進している。
アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能は低下しており亢進していない。フィラグリン遺伝子変異やセラミド減少により角質層の水分保持機能が障害され、経皮水分蒸散量(TEWL)が増加する。バリア機能低下により外来アレルゲンが侵入しやすくなり、皮膚炎が悪化する。
✓ 2. 正しい
湿疹は四肢大関節の屈側に認めることが多い。
小児のアトピー性皮膚炎では湿疹は四肢大関節の屈側(肘窩・膝窩など)に認めることが多い。幼少児期(4~10歳頃): 頸部や関節窩などに苔癬化局面ができる。乳児期は顔面・頭部に始まるが、幼児期以降は四肢屈側に移行し、掻破により苔癬化局面を形成する。関節屈側の好発は小児以降のアトピー性皮膚炎の重要な特徴である。
✗ 3. 誤り
Ⅲ型アレルギーが関与している。
アトピー性皮膚炎にはI型アレルギー(IgE介在性の即時型)が関与しており、III型アレルギー(免疫複合体型)ではない。III型アレルギーは抗原抗体複合体(免疫複合体)が組織に沈着して炎症を起こすもので、アルサス反応や血清病、SLE腎炎などに関与する。
✗ 4. 誤り
抗ヒスタミン薬の内服が第一選択である。
アトピー性皮膚炎の治療の第一選択はステロイド外用薬(副腎皮質ステロイド薬の塗布)であり、抗ヒスタミン薬の内服ではない。保湿剤やステロイド外用薬を適宜使用し、必要に応じて抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬などを内服する、抗ヒスタミン薬は掻痒の補助療法として使用される。
ポイント
  • 小児のアトピー性皮膚炎では四肢大関節の屈側(肘窩・膝窩)に湿疹が好発する。乳児期は顔面・頭部に始まり幼児期以降に屈側に移行する。
  • バリア機能は低下(亢進ではない)、I型アレルギーが関与(III型ではない)、第一選択はステロイド外用薬(抗ヒスタミン薬ではない)。
  • 思春期頃までに軽快する症例が多いが、成人まで持ち越すこともある。アレルギー性鼻炎や気管支喘息との合併が多い(アトピーマーチ)。
  • 重要用語: アトピー性皮膚炎, 四肢屈側, バリア機能低下, I型アレルギー, ステロイド外用薬 を正確に理解しておくこと。
比較表
年齢期 好発部位 皮疹の特徴
乳幼児期(~3歳頃) 顔面・頭部 → 体幹・四肢 湿潤傾向が強く、痂皮を伴う
幼少児期(4~10歳頃) 頸部・関節窩(肘窩・膝窩) 乾燥傾向、苔癬化局面
思春期・成人期 関節窩に限局 乾燥傾向が強い、苔癬化
解説画像
鍼灸 第33回(2025) 問題52|小児のアトピー性皮膚炎について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第33回(2025) 問題52|小児のアトピー性皮膚炎について正しいのはどれか。
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