学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ C. 麻酔科 / Q1354

理由で解く 臨床医学各論

Q1354 その他の領域

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題88
問題
麻酔について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 吸入麻酔には酸素が使用される。
2 脊椎麻酔は下肢の手術に適用できる。
3 静脈麻酔は全身麻酔である。
4 硬膜外麻酔には気管内挿管が必要である。
解答
正解4(硬膜外麻酔には気管内挿管が必要である)
解説
✗ 1.
吸入麻酔には酸素が使用される。
✗ 正しい。吸入麻酔では揮発性麻酔薬(セボフルランなど)やガス性麻酔薬(亜酸化窒素)を酸素と混合して麻酔器回路から投与する。麻酔器回路に医療ガス配管から酸素、亜酸化窒素、治療用空気がホースを介して連結されている。導入時には100%酸素での前酸素化が行われ、低酸素防止のため酸素は必ず使用される。
✗ 2.
脊椎麻酔は下肢の手術に適用できる。
✗ 正しい。脊椎麻酔(脊髄クモ膜下麻酔)はクモ膜下腔に局所麻酔薬を注入し、脊髄神経を遮断する方法である。薬物の投与部位が第2腰椎から第1仙椎間に限定されることから、下腹部、会陰、下肢の手術に適する。下肢の手術は脊椎麻酔の代表的な適応である。
✗ 3.
静脈麻酔は全身麻酔である。
✗ 正しい。静脈麻酔はチオペンタール、プロポフォールなどの麻酔薬を静脈内に投与して中枢神経に作用させる全身麻酔法である。静脈麻酔薬を静脈投与することにより、麻酔薬が血流にのって全身に分布し、中枢神経の神経細胞に作用する。意識を消失させるため全身麻酔に分類される。
✓ 4. 誤り
硬膜外麻酔には気管内挿管が必要である。
硬膜外麻酔は硬膜外腔に局所麻酔薬を注入する局所麻酔(区域麻酔)であり、意識は保たれるため気管内挿管は不要である。硬膜外麻酔は頸部から会陰部に至る広い範囲の手術の麻酔や、術後の疼痛管理、慢性疼痛管理にも応用される。気管内挿管は全身麻酔の導入時に気道確保のために行うものであり、硬膜外麻酔とは目的も方法も異なる。
ポイント
  • 硬膜外麻酔は局所麻酔(区域麻酔)であり、意識は保たれるため気管内挿管は不要。気管内挿管が必要なのは全身麻酔。
  • 脊椎麻酔と硬膜外麻酔の違い: 脊椎麻酔はクモ膜下腔に注入(下半身のみ)、硬膜外麻酔は硬膜外腔に注入(頸部〜会陰部まで対応可能)。
  • 全身麻酔の手順: 酸素吸入→静脈麻酔薬で導入→筋弛緩薬投与→気管挿管→吸入麻酔薬で維持。
  • 重要用語: 硬膜外麻酔、気管内挿管、区域麻酔、脊髄クモ膜下麻酔 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 脊髄クモ膜下麻酔 硬膜外麻酔
注入部位 クモ膜下腔 硬膜外腔
投与可能範囲 L2〜S1間のみ 頸椎〜仙椎
適応手術 下腹部・会陰・下肢 頸部〜会陰部(広範囲)
効果発現 約10分 10〜15分
カテーテル留置 通常しない 可能(長時間手術・術後鎮痛)
気管内挿管 不要 不要
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題88|麻酔について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題88|麻酔について誤っている記述はどれか。
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