学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ C. 麻酔科 / Q1355

理由で解く 臨床医学各論

Q1355 その他の領域

出典:あマ指 第4回(1996) 問題96
問題
意識がなくなる麻酔法はどれか。
選択肢
1 吸入麻酔
2 脊椎麻酔
3 硬膜外麻酔
4 鍼麻酔
解答
正解1(吸入麻酔)
解説
✓ 1. 正しい
吸入麻酔
吸入麻酔は揮発性麻酔薬(セボフルラン、イソフルラン)やガス性麻酔薬(亜酸化窒素)を麻酔器回路から吸入させ、肺胞表面から動脈血中に入り脳・脊髄に作用させて意識を消失させる全身麻酔法である。吸入麻酔薬あるいは静脈麻酔薬を中枢神経に作用させて、意識の消失をもたらす方法。投与中止後はすみやかに呼気から排泄されるため、麻酔深度の調節性は静脈麻酔より優れている。
✗ 2. 誤り
脊椎麻酔
脊椎麻酔(脊髄クモ膜下麻酔)はクモ膜下腔に局所麻酔薬を注入して脊髄神経の前根・後根を遮断する局所麻酔法である。脊髄神経の前根、後根、脊髄の外層を可逆的に遮断して鎮痛と筋弛緩を得る。下半身の知覚・運動は遮断されるが、意識は保たれる。
✗ 3. 誤り
硬膜外麻酔
硬膜外麻酔は硬膜外腔に局所麻酔薬を注入して脊髄神経伝達を遮断する局所麻酔法である。局所麻酔薬を脊髄や末梢神経に作用させ、局所の無痛状態を作り出す麻酔である。意識の消失はない。術後鎮痛や慢性疼痛管理にも利用される。
✗ 4. 誤り
鍼麻酔
鍼麻酔は鍼刺激によりエンドルフィンなどの内因性鎮痛物質を賦活して鎮痛効果を得る方法であり、意識は保たれたままである。東洋医学的手法であり、全身麻酔には分類されない。単独での十分な麻酔効果は得られにくいとされる。
ポイント
  • 意識を消失させるのは全身麻酔(吸入麻酔・静脈麻酔)であり、局所麻酔(脊椎麻酔・硬膜外麻酔・表面麻酔・伝達麻酔)では意識は保たれる。
  • 吸入麻酔は麻酔深度の調節性に優れ、最も広く使用される全身麻酔法である。セボフルランは気道刺激性が少なく小児の緩徐導入に適する。
  • 麻酔の3要素は「鎮痛・鎮静・筋弛緩」であり、全身麻酔ではこれらを総合的に達成する。
  • 重要用語: 吸入麻酔、全身麻酔、意識消失、セボフルラン、局所麻酔 を正確に理解しておくこと。
比較表
麻酔法 分類 意識 作用機序
吸入麻酔 全身麻酔 消失 中枢神経に作用
静脈麻酔 全身麻酔 消失 中枢神経に作用
脊椎麻酔 局所麻酔 保持 脊髄神経を遮断
硬膜外麻酔 局所麻酔 保持 脊髄神経伝達を遮断
鍼麻酔 補完的麻酔 保持 内因性鎮痛物質の賦活
解説画像
あマ指 第4回(1996) 問題96|意識がなくなる麻酔法はどれか。 解説図
あマ指 第4回(1996) 問題96|意識がなくなる麻酔法はどれか。
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