学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ B. 一般外科 / Q1348

理由で解く 臨床医学各論

Q1348 その他の領域

出典:あマ指 第23回(2015) 問題61
問題
熱傷についての組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 Ⅰ度熱傷 ― 水疱形成
2 Ⅱ度熱傷 ― 皮膚全層の凝固壊死
3 熱傷面積 ― 9の法則
4 初期治療 ― 軟膏塗布
解答
正解3(熱傷面積 ――― 9の法則)
解説
✗ 1. 誤り
Ⅰ度熱傷 ― 水疱形成
I度熱傷は表皮基底層と真皮乳頭層の炎症にとどまり、受傷部皮膚の発赤・浮腫・疼痛が主症状である。I度熱傷: 皮膚の発赤、熱感、疼痛を示すが、水疱は形成しない。水疱形成はII度熱傷の特徴的所見であり、I度では数日で炎症が消退する。
✗ 2. 誤り
Ⅱ度熱傷 ― 皮膚全層の凝固壊死
皮膚全層の凝固壊死はIII度熱傷の所見である。III度熱傷: 皮膚全層の凝固壊死で創面は蒼白・乾燥し水疱形成や痛覚はない。II度熱傷は真皮に達する損傷で、浅達性II度では水疱形成・強い疼痛、深達性II度では知覚鈍麻がみられるが、全層壊死には至らない。
✓ 3. 正しい
熱傷面積 ― 9の法則
熱傷面積の算定には「9の法則」が広く用いられている。成人の熱傷範囲を算出するために身体各部位の面積を体表面積の9%またはその2倍の18%に相当するものとして簡略化した。頭部9%、片上肢9%、体幹前面18%、体幹後面18%、片下肢18%、外陰部1%と算出する。狭い範囲には「手掌法」(手のひら=約1%)を用いる。
✗ 4. 誤り
初期治療 ― 軟膏塗布
熱傷の初期治療で最優先すべきは水道水による冷却と洗浄(約20分間)であり、軟膏塗布ではない。アロエや『馬の油』、家庭常備の軟膏などはつけるべきではない。軟膏塗布は医療機関で深達度を評価した後に行う局所療法である。
ポイント
  • 9の法則は成人の熱傷面積を簡便に算定する方法である。小児にはLund-Browder法が用いられる。
  • 熱傷の初期治療は「まず水道水による冷却」。I度=発赤のみ、II度=水疱形成、III度=全層壊死の区別を確実に覚えること。
  • II度以上の熱傷が体表面積の15%を超えるとショックの危険性が高まるため、早期の輸液療法が必要となる。
  • 重要用語: 9の法則、手掌法、熱傷深達度、水道水冷却 を正確に理解しておくこと。
比較表
組合せ 正誤 正しい対応
I度熱傷 --- 水疱形成 I度=発赤のみ、水疱はII度
II度熱傷 --- 皮膚全層壊死 全層壊死はIII度
熱傷面積 --- 9の法則 正しい組合せ
初期治療 --- 軟膏塗布 初期は水道水による冷却
解説画像
あマ指 第23回(2015) 問題61|熱傷についての組合せで正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第23回(2015) 問題61|熱傷についての組合せで正しいのはどれか。
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