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理由で解く 臨床医学各論

Q1344 その他の領域

出典:鍼灸 第16回(2008) 問題77
問題
「20歳の男性。10日前、バイク事故により頸椎を損傷し脊髄損傷となった。上肢下肢に麻痺がある。」この患者で現在みられないのはどれか。
選択肢
1 呼吸障害
2 血圧の変動
3 消化性潰瘍
4 痙性麻痺
解答
正解4(痙性麻痺)
解説
✗ 1.
呼吸障害
✗ 正しい。上位頸髄損傷では横隔神経(C3〜C5)が障害されるため呼吸障害が生じうる。受傷10日後の急性期でも呼吸障害は持続しており、人工呼吸管理が必要になることもある。も脊髄損傷時の救急対応として気道確保・呼吸確保の重要性が強調されている。
✗ 2.
血圧の変動
✗ 正しい。脊髄損傷の急性期では自律神経障害により血圧変動がみられる。交感神経系の遮断による低血圧や、自律神経過反射による突発的な血圧上昇が生じうる。ショック時の「バイタルサイン」の頻回チェックが重要とされており、血圧変動は急性期の重要な管理項目である。
✗ 3.
消化性潰瘍
✗ 正しい。中枢神経障害に伴うストレス反応として消化性潰瘍(クッシング潰瘍)が急性期に生じうる。脊髄損傷では消化管運動の低下や麻痺性イレウスも起こりうるため、消化管管理が必要である。重症外傷後のストレス性潰瘍の予防は急性期管理の一つである。
✓ 4. 誤り
痙性麻痺
受傷10日後は脊髄ショック期にあり、損傷高位以下は弛緩性麻痺を呈する。痙性麻痺(上位運動ニューロン障害による痙縮や腱反射亢進)は脊髄ショック離脱後(通常数週間〜数か月後)に出現するものであり、受傷10日の時点ではまだみられない。脊髄ショック期では深部腱反射は消失している。
ポイント
  • 脊髄損傷の急性期(脊髄ショック期)では弛緩性麻痺を呈し、痙性麻痺はまだ出現しない。ショック離脱後に痙縮・腱反射亢進が出現する。
  • 脊髄ショック期の特徴: 弛緩性麻痺、深部腱反射消失、膀胱直腸障害(尿閉)、自律神経障害(血圧変動・体温調節障害)。
  • 頸髄損傷では横隔神経(C3〜C5)障害による呼吸障害、四肢麻痺、自律神経障害が生じる。
  • 重要用語: 脊髄ショック、弛緩性麻痺、痙性麻痺、クッシング潰瘍 を正確に理解しておくこと。
比較表
時期 麻痺の型 腱反射 筋緊張
脊髄ショック期(急性期) 弛緩性麻痺 消失 低下
ショック離脱後(慢性期) 痙性麻痺 亢進 亢進(痙縮)
解説画像
鍼灸 第16回(2008) 問題77|「20歳の男性。10日前、バイク事故により頸椎を損傷し脊髄損傷となった。上肢下肢に麻痺がある。」この患者で現在みられないのはどれか。 解説図
鍼灸 第16回(2008) 問題77|「20歳の男性。10日前、バイク事故により頸椎を損傷し脊髄損傷となった。上肢下肢に麻痺がある。」この患者で現在みられないのはどれか。
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