学習トップ理由で解く 臨床医学各論第12章 ▸ B. 膠原病 / Q1273

理由で解く 臨床医学各論

Q1273 リウマチ性疾患・膠原病

出典:あマ指 第9回(2001) 問題77
問題
全身性進行性硬化症で誤っているのはどれか。
選択肢
1 女性に好発
2 皮膚の硬化性病変
3 レイノー現象
4 低グロブリン血症
解答
正解4(低グロブリン血症)
解説
✗ 1.
女性に好発
✗ 正しい。全身性硬化症(強皮症)は30~50歳代の女性に好発する自己免疫疾患であり、男女比は約1:7である。膠原病全般に共通して女性に多い傾向があるが、全身性硬化症は特に女性優位が顕著である。
✗ 2.
皮膚の硬化性病変
✗ 正しい。皮膚のコラーゲン過剰産生と線維化による硬化性病変が本疾患の最大の特徴である。手指から始まり中枢側へ進展するびまん型と、手指・顔面に限局する限局型(CREST症候群)に分類される。
✗ 3.
レイノー現象
✗ 正しい。レイノー現象は全身性硬化症の90%以上に認められ、しばしば皮膚硬化に先行する初発症状となる。寒冷刺激や精神的ストレスにより手指の血管攣縮が生じ、白色→暗紫色→紅潮の三相性色調変化を呈する。
✓ 4. 誤り
低グロブリン血症
全身性硬化症では低グロブリン血症ではなく高γグロブリン血症がみられる。自己免疫疾患であるため、Bリンパ球の活性化により免疫グロブリンの産生が亢進する。抗Scl-70抗体(びまん型)や抗セントロメア抗体(限局型)などの自己抗体が出現する。
ポイント
  • 全身性硬化症では自己免疫機序により高γグロブリン血症を呈し、低グロブリン血症は誤りである。膠原病では一般に高γグロブリン血症となる点を押さえる。
  • びまん型(dcSSc)では抗Scl-70抗体が陽性で内臓病変(肺線維症、腎クリーゼ)の合併が多く、限局型(lcSSc:CREST症候群)では抗セントロメア抗体が陽性で予後が比較的良好である。
  • CREST症候群の構成要素は、Calcinosis(石灰沈着)、Raynaud現象、Esophageal dysmotility(食道蠕動低下)、Sclerodactyly(強指症)、Telangiectasia(毛細血管拡張)である。
  • 食道病変(下部食道の蠕動低下、逆流性食道炎)は全身性硬化症の消化管合併症として高頻度にみられる。
  • 重要用語: 高γグロブリン血症、レイノー現象、抗Scl-70抗体、CREST症候群 を正確に理解しておくこと。
比較表
病型 皮膚硬化の範囲 特異的自己抗体 内臓病変 予後
びまん型(dcSSc) 体幹を含む広範囲 抗Scl-70抗体 肺線維症、腎クリーゼ 不良
限局型(lcSSc/CREST) 手指・顔面に限局 抗セントロメア抗体 肺高血圧症 比較的良好
解説画像
あマ指 第9回(2001) 問題77|全身性進行性硬化症で誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第9回(2001) 問題77|全身性進行性硬化症で誤っているのはどれか。
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