学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1202

理由で解く 臨床医学各論

Q1202 神経疾患

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題83
問題
末梢性顔面神経麻痺に有効な神経ブロックはどれか。
選択肢
1 顔面神経ブロック
2 上顎神経ブロック
3 浅頸神経ブロック
4 星状神経節ブロック
解答
正解4(星状神経節ブロック)
解説
✗ 1. 誤り
顔面神経ブロック
顔面神経自体をブロックすることは末梢性顔面神経麻痺の治療としては行われない。 顔面神経ブロックはむしろ片側顔面けいれんの治療(ボツリヌス毒素注射)で用いられる概念であり、既に麻痺した神経を更にブロックしても回復は促進されない。
✗ 2. 誤り
上顎神経ブロック
上顎神経ブロックは三叉神経第2枝(上顎神経)の神経痛に対する疼痛治療として行われるものである。 三叉神経痛の治療手段であり、顔面神経(第VII脳神経)と三叉神経(第V脳神経)は全く異なる神経であるため、顔面神経麻痺には無効である。
✗ 3. 誤り
浅頸神経ブロック
浅頸神経ブロックは頸神経叢の知覚枝をブロックするもので、頸部の疼痛緩和に用いられる。 顔面神経は脳幹から出て側頭骨内を走行するため、頸神経叢のブロックでは到達できず、顔面神経麻痺の治療には適応がない。
✓ 4. 正しい
星状神経節ブロック
末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺)には星状神経節ブロックが有効である。 星状神経節は下頸神経節と第1胸神経節が融合した交感神経節であり、これをブロック(交感神経遮断)することで頭頸部の血管が拡張し、顔面の血流改善・顔面神経管内の浮腫軽減が期待できる。 ステロイド投与と併用して早期から行われることが多い。
ポイント
  • 末梢性顔面神経麻痺の治療には星状神経節ブロック(交感神経遮断による血流改善)が有効である。
  • 星状神経節ブロックの適応は顔面神経麻痺のほか、帯状疱疹後神経痛・突発性難聴・CRPS(上肢)など多岐にわたる。
  • 治療はステロイド投与と星状神経節ブロックの併用が基本であり、早期開始が予後改善に重要である。
  • 重要用語: 星状神経節ブロック, 交感神経遮断, 血流改善, ベル麻痺の治療 を正確に理解しておくこと。
比較表
神経ブロック 対象疾患 目的
星状神経節ブロック 顔面神経麻痺・帯状疱疹後神経痛・CRPS 交感神経遮断による血流改善
上顎神経ブロック 三叉神経痛(第2枝) 疼痛緩和
浅頸神経ブロック 頸部の疼痛 知覚枝の遮断
顔面神経ブロック 片側顔面けいれん 異常興奮の抑制
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題83|末梢性顔面神経麻痺に有効な神経ブロックはどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題83|末梢性顔面神経麻痺に有効な神経ブロックはどれか。
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