学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1190

理由で解く 臨床医学各論

Q1190 神経疾患

出典:あマ指 第3回(1995) 問題92
問題
症状と麻痺神経との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 鷲手 ― 尺骨神経
2 下垂手 ― 正中神経
3 尖足 ― 大腿神経
4 兎眼 ― 三叉神経
解答
正解1(鷲手 - 尺骨神経)
解説
✓ 1. 正しい
鷲手 ― 尺骨神経
鷲手は尺骨神経麻痺による特徴的な手の変形である。 尺骨神経が支配する第3・4虫様筋と骨間筋が麻痺するため、環指・小指のMP関節が過伸展し、PIP・DIP関節が屈曲する変形をきたす。尺骨神経は肘部管や尺骨神経管で絞扼されやすく、小指球と骨間筋の萎縮も著明となる。
✗ 2. 誤り
下垂手 ― 正中神経
下垂手は橈骨神経麻痺による症状であり、正中神経麻痺ではない。 橈骨神経が上腕骨中央部で障害されると手関節・手指の背屈ができなくなり下垂手を呈する。上腕骨骨幹部骨折やサタデーナイト麻痺で生じる。正中神経麻痺では母指球萎縮による猿手を呈する。
✗ 3. 誤り
尖足 ― 大腿神経
尖足(下垂足)は総腓骨神経麻痺による症状であり、大腿神経麻痺ではない。 総腓骨神経が腓骨頭部で圧迫されると足関節の背屈ができなくなり下垂足を呈する。大腿神経麻痺では大腿四頭筋の筋力低下による膝伸展障害が主症状となる。
✗ 4. 誤り
兎眼 ― 三叉神経
兎眼は顔面神経(第VII脳神経)麻痺による症状であり、三叉神経ではない。 眼輪筋の麻痺により閉眼が不能となり、眼裂が開いたままとなる。ベル麻痺やラムゼイ・ハント症候群で出現する。三叉神経は顔面の知覚を支配し、運動枝は咬筋を支配する。
ポイント
  • 末梢神経麻痺と特徴的な変形の組合せは頻出テーマ: 鷲手=尺骨神経、猿手=正中神経、下垂手=橈骨神経、下垂足=総腓骨神経を確実に覚える
  • 兎眼は顔面神経麻痺(三叉神経ではない)であることに注意する
  • 各神経の絞扼部位も合わせて理解する(肘部管=尺骨神経、手根管=正中神経、上腕骨=橈骨神経、腓骨頭=総腓骨神経)
  • 重要用語: 鷲手, 尺骨神経, 猿手, 正中神経, 下垂手, 橈骨神経 を正確に理解しておくこと。
比較表
症状 麻痺神経 特徴
鷲手 尺骨神経 環指・小指MP過伸展、IP屈曲
猿手 正中神経 母指対立不能、母指球萎縮
下垂手 橈骨神経 手関節・手指背屈不能
下垂足 総腓骨神経 足関節背屈不能
兎眼 顔面神経 閉眼不能
解説画像
あマ指 第3回(1995) 問題92|症状と麻痺神経との組合せで正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第3回(1995) 問題92|症状と麻痺神経との組合せで正しいのはどれか。
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