学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1191

理由で解く 臨床医学各論

Q1191 神経疾患

出典:あマ指 第5回(1997) 問題90
問題
神経麻痺とその症状との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 正中神経 ― 猿手
2 橈骨神経 ― 下垂手
3 尺骨神経 ― 鷲手
4 脛骨神経 ― 下垂足
解答
正解4(脛骨神経 - 下垂足)
解説
✗ 1.
正中神経 ― 猿手
✗ 正しい。正中神経麻痺では母指球筋の萎縮により母指対立が不能となり、手が扁平となる猿手を呈する。正しい組合せである。 手根管症候群による正中神経圧迫でもみられ、母指・示指・中指の掌側の知覚障害を伴う。手根管症候群は中年女性に多く、夜間のしびれが特徴的である。
✗ 2.
橈骨神経 ― 下垂手
✗ 正しい。橈骨神経麻痺では手関節・手指の伸展(背屈)が不能となり、手が垂れ下がる下垂手を呈する。正しい組合せである。 上腕骨骨幹部骨折や長時間の圧迫(サタデーナイト麻痺)で生じる。橈骨神経は上腕骨の橈骨神経溝を走行するため、骨折で損傷されやすい。
✗ 3.
尺骨神経 ― 鷲手
✗ 正しい。尺骨神経麻痺では骨間筋・虫様筋の萎縮により、環指・小指のMP関節過伸展とIP関節屈曲を呈する鷲手となる。正しい組合せである。 肘部管症候群や上腕骨外顆骨折後の遅発性尺骨神経麻痺でみられる。小指球の萎縮とフローマン徴候(母指内転筋麻痺)も特徴的。
✓ 4. 誤り
脛骨神経 ― 下垂足
下垂足(尖足)は総腓骨神経麻痺による症状であり、脛骨神経麻痺ではない。 総腓骨神経は足関節の背屈・足趾の伸展を支配しており、麻痺すると下垂足となり鶏歩を呈する。脛骨神経麻痺では足の底屈・内転が障害される(足根管症候群では足底のしびれが主症状)。
ポイント
  • 下垂足は総腓骨神経麻痺であり、脛骨神経麻痺ではない。脛骨神経は足底屈に関与し、総腓骨神経は足背屈に関与する
  • 神経麻痺と変形の対応は頻出テーマ: 猿手=正中神経、下垂手=橈骨神経、鷲手=尺骨神経、下垂足=総腓骨神経を確実に覚える
  • 各神経の絞扼部位も合わせて把握する(手根管=正中、肘部管=尺骨、橈骨神経溝=橈骨、腓骨頭=総腓骨)
  • 重要用語: 下垂足, 総腓骨神経, 脛骨神経, 猿手, 下垂手, 鷲手 を正確に理解しておくこと。
比較表
神経麻痺 特徴的症状 絞扼・障害部位
正中神経 猿手 手根管
橈骨神経 下垂手 上腕骨橈骨神経溝
尺骨神経 鷲手 肘部管
総腓骨神経 下垂足 腓骨頭
脛骨神経 足底屈障害 足根管
解説画像
あマ指 第5回(1997) 問題90|神経麻痺とその症状との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第5回(1997) 問題90|神経麻痺とその症状との組合せで誤っているのはどれか。
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