学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1189

理由で解く 臨床医学各論

Q1189 神経疾患

出典:鍼灸 第2回(1994) 問題76
問題
ギラン・バレー症候群の症状でないのはどれか。
選択肢
1 四肢の脱力
2 片側の顔面麻痺
3 嚥下障害
4 呼吸障害
解答
正解2(片側の顔面麻痺)
解説
✗ 1.
四肢の脱力
✗ 正しい。ギラン・バレー症候群では急性かつ対称性の四肢脱力と歩行困難が主徴であり、四肢の脱力はみられる。 下肢から上行性に進行することが多く、発症からピークまで2~4週間以内である。先行感染(上気道感染・下痢)の1~3週間後に発症することが特徴的である。
✓ 2. 誤り
片側の顔面麻痺
ギラン・バレー症候群は対称性の症状を呈する疾患であり、片側のみの顔面麻痺は特徴的ではない。 顔面神経麻痺を伴う場合は「両側性」であることが多い。片側の顔面麻痺はベル麻痺(特発性末梢性顔面神経麻痺、額を含む全顔面麻痺)やラムゼイ・ハント症候群(帯状疱疹ウイルスによる)で典型的にみられる。
✗ 3.
嚥下障害
✗ 正しい。重症例では球麻痺をきたし、嚥下障害や構音障害が出現することがある。 球麻痺は生命に関わるため注意が必要であり、嚥下機能の評価と誤嚥防止が重要となる。上行性に麻痺が進行し延髄に達した場合に出現する。
✗ 4.
呼吸障害
✗ 正しい。呼吸筋麻痺による換気障害は重症例でみられ、人工呼吸器管理が必要となることがある。 上行性に進行し横隔膜・肋間筋に達すると呼吸不全を呈する。呼吸障害の徴候が疑われる場合には気管内挿管と人工呼吸管理を行う。約85%の症例は回復するが、重症例では後遺症を残すこともある。
ポイント
  • ギラン・バレー症候群は「対称性」の末梢神経障害であり、片側性の症状は特徴的でない
  • 先行感染後に急性の上行性麻痺で発症し、髄液検査でたんぱく細胞解離を認める
  • 片側の顔面麻痺はベル麻痺(特発性、額含む全顔面)やラムゼイ・ハント症候群(帯状疱疹ウイルス)で典型的
  • 重要用語: ギラン・バレー症候群, 対称性, 上行性麻痺, たんぱく細胞解離, ベル麻痺は片側性 を正確に理解しておくこと。
比較表
ギラン・バレー症候群 ベル麻痺
対称性の四肢脱力 片側性の顔面麻痺
上行性麻痺 額を含む全顔面が障害
先行感染後1~3週で発症 特発性(原因不明)が多い
たんぱく細胞解離 涙液・唾液分泌障害
約85%が回復 約70%が自然回復
解説画像
鍼灸 第2回(1994) 問題76|ギラン・バレー症候群の症状でないのはどれか。 解説図
鍼灸 第2回(1994) 問題76|ギラン・バレー症候群の症状でないのはどれか。
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