学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1187

理由で解く 臨床医学各論

Q1187 神経疾患

出典:あマ指 第14回(2006) 問題90
問題
ギラン・バレー症候群について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 脱髄性疾患である。
2 四肢の脱力をきたす。
3 深部腱反射は低下する。
4 寛解と再燃を繰り返す。
解答
正解4(寛解と再燃を繰り返す。)
解説
✗ 1.
脱髄性疾患である。
✗ 正しい。ギラン・バレー症候群は末梢神経の急性炎症性脱髄性疾患であり、自己免疫機序(先行感染後に末梢神経のミエリンに対する自己抗体が産生される)で生じる。上気道感染や下痢(カンピロバクター感染が代表的)の1〜3週間後に発症することが多い。軸索型(AMAN)も存在するが、脱髄型(AIDP)が典型的である。
✗ 2.
四肢の脱力をきたす。
✗ 正しい。ギラン・バレー症候群では四肢の対称性の弛緩性麻痺(脱力)が特徴的である。典型的には下肢から上行性に進行し、重症例では呼吸筋麻痺を来して人工呼吸管理が必要となる。約85%の症例で自然回復が得られるが、後遺症を残す例もある。
✗ 3.
深部腱反射は低下する。
✗ 正しい。末梢神経の脱髄により深部腱反射は低下または消失する。腱反射消失は診断上きわめて重要な所見であり、四肢の弛緩性麻痺とともにギラン・バレー症候群を強く示唆する。髄液検査では蛋白細胞解離(蛋白上昇・細胞数正常)が特徴的所見である。
✓ 4. 誤り
寛解と再燃を繰り返す。
ギラン・バレー症候群は急性の単相性経過をとる疾患であり、寛解と再燃を繰り返すことはない。先行感染後に急性発症し、2〜4週間で症状がピークに達した後、多くは自然回復する。寛解再燃を繰り返すのは慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)や多発性硬化症(MS)の特徴であり、ギラン・バレー症候群との重要な鑑別点である。
ポイント
  • ギラン・バレー症候群は単相性経過が特徴であり、寛解再燃を繰り返す場合はCIDPやMSを考える
  • 先行感染(カンピロバクター、マイコプラズマ、EBウイルスなど)の1〜3週間後に急性発症する
  • 髄液所見で蛋白細胞解離(蛋白増加・細胞数正常)が特徴的である
  • 重要用語: ギラン・バレー症候群, 単相性経過, 蛋白細胞解離, CIDP を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 ギラン・バレー症候群 CIDP
経過 急性・単相性 慢性・寛解再燃
発症 先行感染後1〜3週間 緩徐発症
回復 約85%が自然回復 自然回復しにくい
治療 血漿交換、免疫グロブリン ステロイド、血漿交換
解説画像
あマ指 第14回(2006) 問題90|ギラン・バレー症候群について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第14回(2006) 問題90|ギラン・バレー症候群について誤っている記述はどれか。
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