学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1186

理由で解く 臨床医学各論

Q1186 神経疾患

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題80
問題
ギラン・バレー症候群でみられない症状はどれか。
選択肢
1 急性発症
2 四肢脱力
3 髄液のタンパク細胞解離
4 振戦
解答
正解4(振戦)
解説
✗ 1.
急性発症
✗ 正しい。ギラン・バレー症候群は上気道感染(カンピロバクター腸炎やサイトメガロウイルス感染など)の1〜3週間後に急性に発症する自己免疫性の末梢神経疾患である。発症から2〜4週間でピークに達し、その後は回復期に移行する単相性の経過が特徴的である。
✗ 2.
四肢脱力
✗ 正しい。四肢の対称性弛緩性麻痺(脱力)はギラン・バレー症候群の中核症状である。通常は下肢から始まり上行性に進行し、重症例では呼吸筋麻痺をきたして人工呼吸管理が必要となることがある。腱反射は低下〜消失し、深部感覚障害を伴うこともある。
✗ 3.
髄液のタンパク細胞解離
✗ 正しい。髄液のタンパク細胞解離(蛋白増加・細胞数正常)はギラン・バレー症候群に特徴的な髄液所見であり、診断的価値が高い。発症後1週間程度で明らかとなるため、初期には正常であることもある。蛋白増加は神経根レベルでの炎症・脱髄を反映している。
✓ 4. 誤り
振戦
振戦はギラン・バレー症候群の症状ではない。振戦は中脳黒質のドパミン神経変性によるパーキンソン病などの錐体外路疾患でみられる不随意運動である。ギラン・バレー症候群は末梢神経の脱髄性疾患であり、中枢神経系の錐体外路症状は出現しない。弛緩性麻痺・腱反射消失が本疾患の症状パターンである。
ポイント
  • ギラン・バレー症候群は末梢神経の脱髄性疾患であり、上行性弛緩性麻痺と腱反射消失が特徴である
  • 髄液のタンパク細胞解離(蛋白増加・細胞数正常)は診断に重要で、発症1週後に顕著となる
  • 振戦などの錐体外路症状は出現せず、感覚障害も運動障害に比べ軽度であることが多い
  • 治療には免疫グロブリン大量静注療法(IVIg)や血漿交換療法が用いられる
  • 重要用語: ギラン・バレー症候群, タンパク細胞解離, 上行性弛緩性麻痺, 免疫グロブリン療法 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 ギラン・バレー症候群 パーキンソン病
病変部位 末梢神経(脱髄) 中脳黒質(ドパミン神経変性)
主な症状 上行性弛緩性麻痺・腱反射消失 振戦・筋固縮・無動・姿勢反射障害
髄液所見 タンパク細胞解離 正常
経過 急性発症、単相性(回復傾向) 慢性進行性
治療 IVIg・血漿交換 L-ドーパ・ドパミンアゴニスト
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題80|ギラン・バレー症候群でみられない症状はどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題80|ギラン・バレー症候群でみられない症状はどれか。
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