学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1185

理由で解く 臨床医学各論

Q1185 神経疾患

出典:あマ指 第20回(2012) 問題84
問題
反回神経麻痺でみられるのはどれか。
選択肢
1 頻脈
2 顔面浮腫
3 嗄声
4 ホルネル症候群
解答
正解3(嗄声)
解説
✗ 1. 誤り
頻脈
頻脈は交感神経の興奮や甲状腺機能亢進症、心疾患などでみられる症状であり、反回神経(迷走神経の分枝)の麻痺とは直接の関連がない。迷走神経本幹の障害であれば心拍数に影響しうるが、反回神経麻痺では生じない。
✗ 2. 誤り
顔面浮腫
顔面浮腫は上大静脈症候群(肺癌や縦隔腫瘍による上大静脈の圧迫・閉塞)などでみられる症状である。反回神経の障害では浮腫は生じない。
✓ 3. 正しい
嗄声
反回神経は迷走神経の分枝で、喉頭筋(声帯の内転・外転に関与する筋群)を支配する。反回神経が麻痺すると声帯の運動が障害され、嗄声(しわがれ声)が生じる。左反回神経は大動脈弓の下を回るため走行距離が長く、肺癌や縦隔腫瘍、大動脈瘤などで圧迫されやすい。甲状腺手術の合併症としても知られている。
✗ 4. 誤り
ホルネル症候群
ホルネル症候群は頸部交感神経の障害により縮瞳・眼瞼下垂・眼球陥凹の三徴を呈するもので、反回神経麻痺とは障害される神経が異なる。ただし肺尖部腫瘍(パンコースト腫瘍)では反回神経麻痺とホルネル症候群が併存することがある。
ポイント
  • 反回神経は迷走神経の分枝で声帯の運動を支配し、麻痺すると嗄声を生じる
  • 左反回神経は大動脈弓の下を回るため走行が長く、障害されやすい
  • 肺癌・大動脈瘤・甲状腺手術が反回神経麻痺の主な原因
  • 重要用語: 反回神経, 迷走神経, 嗄声, ホルネル症候群 を正確に理解しておくこと。
比較表
神経障害 原因神経 主な症状 代表的な原因疾患
反回神経麻痺 迷走神経の分枝(反回神経) 嗄声、嚥下障害 肺癌、大動脈瘤、甲状腺手術
ホルネル症候群 頸部交感神経 縮瞳、眼瞼下垂、眼球陥凹 パンコースト腫瘍、脳幹障害
横隔神経麻痺 横隔神経(C3-5) 横隔膜挙上、呼吸困難 縦隔腫瘍、頸部手術
解説画像
あマ指 第20回(2012) 問題84|反回神経麻痺でみられるのはどれか。 解説図
あマ指 第20回(2012) 問題84|反回神経麻痺でみられるのはどれか。
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