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理由で解く 臨床医学各論

Q0820 整形外科疾患

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題81
問題
大腿骨頸部内側骨折について誤っているのはどれか。
選択肢
1 老人に多い。
2 下肢は外旋位をとる。
3 骨頭への血行は保たれている。
4 骨癒合に長時間を要する。
解答
正解3(骨頭への血行は保たれている)
解説
✗ 1.
老人に多い。
✗ 正しい。大腿骨頸部内側骨折は骨粗鬆症を基盤とする高齢女性(70歳以上)に圧倒的に多い。軽微な転倒(室内での転倒やしりもちなど)で容易に発生し、高齢化社会において頻度が増加している代表的な高齢者骨折である。
✗ 2.
下肢は外旋位をとる。
✗ 正しい。大腿骨頸部骨折では患肢は外旋・短縮位をとる特徴的肢位を呈する。腸腰筋や外旋筋群の牽引により患肢が外旋し、骨折部の嵌入や短縮により下肢長が健側より短くなる。疼痛のため起立・歩行は不能となる。
✓ 3. 誤り
骨頭への血行は保たれている。
大腿骨頸部内側骨折では骨頭への血行は保たれるのではなく、障害される。大腿骨頭への主要血管(内側大腿回旋動脈の上行枝など)は関節包に沿って走行するため、内側(関節包内)骨折では血管が損傷・遮断され骨頭への血行が途絶する。このため骨頭壊死のリスクが極めて高く、人工骨頭置換術の適応となる。
✗ 4.
骨癒合に長時間を要する。
✗ 正しい。内側骨折では骨頭への血行障害のため骨癒合に長時間を要し(3〜6ヶ月以上)、偽関節や骨頭壊死の合併率が高い(20〜30%)。関節包内で骨膜が欠如していることも癒合不良の要因であり、外側骨折と比較して予後不良である。
ポイント
  • 大腿骨頸部骨折は内側骨折(関節包内)と外側骨折(関節包外)に分類される
  • 内側骨折は血行障害により骨頭壊死・偽関節のリスクが高く、人工骨頭置換術が適応となる
  • 外側骨折は血行が保たれ骨癒合が良好であり、骨接合術で治療可能なことが多い
  • 重要用語: 大腿骨頸部内側骨折、骨頭壊死、偽関節、人工骨頭置換術 を正確に理解しておくこと。
比較表
比較項目 内側骨折(関節包内) 外側骨折(関節包外)
血行 障害される 保たれる
骨癒合 不良(偽関節リスク高) 良好
主な合併症 骨頭壊死・偽関節 少ない
治療 人工骨頭置換術 骨接合術・保存療法
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題81|大腿骨頸部内側骨折について誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題81|大腿骨頸部内側骨折について誤っているのはどれか。
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