学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ H. 運動ニューロン疾患 / Q1178

理由で解く 臨床医学各論

Q1178 神経疾患

出典:あマ指 第14回(2006) 問題89
問題
筋萎縮性側索硬化症で最も認めにくいのはどれか。
選択肢
1 膀胱直腸障害
2 構音障害
3 舌萎縮
4 筋線維束攣縮
解答
正解1(膀胱直腸障害)
解説
✓ 1. 誤り
膀胱直腸障害
膀胱直腸障害はALSの陰性4徴候の一つであり、最も認めにくい症候である。 ALSでは運動ニューロンが選択的に障害されるが、自律神経系(膀胱・直腸の排泄機能を制御)は保たれる。排尿・排便を支配する仙髄のオヌフ核は選択的に温存される。陰性4徴候には膀胱直腸障害のほか、感覚障害・眼球運動障害・褥瘡が含まれる。
✗ 2.
構音障害
✗ 正しい。構音障害は延髄の運動ニューロン障害(球麻痺)により出現するALSの重要な症状である。 舌・咽頭・喉頭の筋群が障害されることでろれつ不良となり、約25%の症例で初発症状となる。進行すると発語不能となり、コミュニケーション手段の確保が必要となる。
✗ 3.
舌萎縮
✗ 正しい。舌萎縮は舌下神経核の障害により出現し、ALSの代表的所見である。 舌の線維束性攣縮を伴い、挺舌困難もみられる。球麻痺の重要な身体所見として診察時に確認する。ALSで最も侵されやすい脳神経核が舌下神経核(XII)である。
✗ 4.
筋線維束攣縮
✗ 正しい。筋線維束攣縮(ファスキキュレーション)は下位運動ニューロン障害を反映するALSの特徴的所見である。 安静時に筋表面がぴくぴく動く現象で、筋電図でも確認される。四肢や舌に広くみられ、ALSの診断において重要な所見の一つである。
ポイント
  • ALSの陰性4徴候は「感覚障害」「膀胱直腸障害」「眼球運動障害」「褥瘡」であり、これらは通常みられない
  • 構音障害・舌萎縮・筋線維束攣縮はいずれもALSに特徴的にみられる陽性所見である
  • 膀胱直腸障害がみられる場合は多系統萎縮症など他の疾患との鑑別が必要
  • 重要用語: ALSの陰性4徴候, 膀胱直腸障害, 構音障害, 舌萎縮, 筋線維束攣縮 を正確に理解しておくこと。
比較表
ALSでみられる所見 ALSの陰性4徴候(みられにくい)
構音障害(球麻痺) 感覚障害
舌萎縮(舌下神経核障害) 膀胱直腸障害
筋線維束攣縮(下位運動ニューロン障害) 眼球運動障害
筋萎縮・筋力低下 褥瘡
解説画像
あマ指 第14回(2006) 問題89|筋萎縮性側索硬化症で最も認めにくいのはどれか。 解説図
あマ指 第14回(2006) 問題89|筋萎縮性側索硬化症で最も認めにくいのはどれか。
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