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理由で解く 臨床医学各論

Q1174 神経疾患

出典:鍼灸 第5回(1997) 問題88
問題
筋萎縮性側索硬化症の症状で誤っているのはどれか。
選択肢
1 深部反射の減弱
2 線維束性攣縮
3 嚥下障害
4 バビンスキー反射陽性
解答
正解1(深部反射の減弱)
解説
✓ 1. 誤り
深部反射の減弱
筋萎縮性側索硬化症(ALS)では深部反射は減弱ではなく亢進する。 上位運動ニューロン(錐体路)障害により腱反射亢進が生じる。下位運動ニューロン障害も合併するが、深部反射は通常亢進を示す点がALSの特徴である。下位運動ニューロンのみの障害(脊髄性筋萎縮症など)では腱反射が減弱する。
✗ 2.
線維束性攣縮
✗ 正しい。線維束性攣縮(ファスキキュレーション)は下位運動ニューロン障害により生じる筋線維の不随意収縮である。 脊髄前角細胞の変性脱落により脱神経された筋線維が不随意に収縮する現象で、四肢・体幹の筋線維束攣縮がALSの特徴的所見として知られる。安静時に筋表面がぴくぴく動き、筋電図でも確認される。
✗ 3.
嚥下障害
✗ 正しい。球麻痺(延髄の運動ニューロン障害)により嚥下障害・構音障害が出現する。 約25%の症例が球麻痺から発症し、ろれつ不良・食事時のむせがみられる。進行すると経管栄養や胃瘻造設が必要となり、誤嚥性肺炎のリスクも高まる。
✗ 4.
バビンスキー反射陽性
✗ 正しい。上位運動ニューロン障害により錐体路徴候としてバビンスキー反射陽性となる。 約60%の症例でバビンスキー徴候がみられ、ホフマン反射陽性も上位運動ニューロン障害の所見として出現する。ALSは上位・下位の両方の運動ニューロンが障害される点が特徴的である。
ポイント
  • ALSは上位・下位運動ニューロンの両方が障害され、深部反射は減弱ではなく亢進する
  • 線維束性攣縮・筋萎縮(下位)とバビンスキー反射陽性・腱反射亢進(上位)を併せ持つのがALSの特徴
  • 球麻痺(嚥下障害・構音障害)は約25%で初発症状となり、予後を左右する重要な症状である
  • 重要用語: ALS, 深部反射亢進, 線維束性攣縮, 球麻痺 を正確に理解しておくこと。
比較表
障害部位 所見 ALSでの出現
上位運動ニューロン 深部反射亢進・バビンスキー徴候 あり
下位運動ニューロン 線維束攣縮・筋萎縮・筋力低下 あり
延髄運動ニューロン 嚥下障害・構音障害(球麻痺) あり
解説画像
鍼灸 第5回(1997) 問題88|筋萎縮性側索硬化症の症状で誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第5回(1997) 問題88|筋萎縮性側索硬化症の症状で誤っているのはどれか。
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