学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ H. 運動ニューロン疾患 / Q1175

理由で解く 臨床医学各論

Q1175 神経疾患

出典:鍼灸 第6回(1998) 問題73
問題
不随意運動のみられない疾患はどれか。
選択肢
1 舞踏病
2 ウイルソン病
3 筋萎縮性側索硬化症
4 アテトーゼ
解答
正解3(筋萎縮性側索硬化症)
解説
✗ 1.
舞踏病
✗ 正しい。舞踏病では大脳基底核(特に尾状核・被殻の線条体)の障害により、素早く不規則な不随意運動(舞踏様運動)がみられる。 ハンチントン舞踏病ではしかめ面、舌の不随意運動、肩すくめ、腰ゆすりなどの舞踏病様不随意運動が特徴的であり、常染色体優性遺伝で進行性の認知症も合併する。
✗ 2.
ウイルソン病
✗ 正しい。ウイルソン病(肝レンズ核変性症)では銅の大脳基底核への蓄積により、羽ばたき振戦・ジストニア・アテトーゼなどの錐体外路徴候(不随意運動)がみられる。 構音障害も伴い、カイザー・フライシャー角膜輪が特徴的所見である。肝障害・精神症状も合併し、セルロプラスミン低下が診断の手がかりとなる。
✓ 3. 誤り
筋萎縮性側索硬化症
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は上位・下位運動ニューロンの進行性変性疾患であり、随意運動の障害(筋力低下・筋萎縮)を主症状とする。 線維束性攣縮(ファスキキュレーション)はみられるが、これは下位運動ニューロン障害による筋線維の収縮であり、錐体外路系の不随意運動とは区別される。舞踏様運動やアテトーゼなどの錐体外路系の不随意運動はALSではみられない。
✗ 4.
アテトーゼ
✗ 正しい。アテトーゼは大脳基底核の障害により、四肢遠位部優位に全身に生じるゆっくりとしたくねるような不随意運動である。 脳性小児麻痺などでみられる代表的な不随意運動の一つであり、随意運動時に増強する。舞踏病よりもゆっくりとした持続的な運動パターンが特徴。
ポイント
  • ALSは運動ニューロン疾患であり、錐体外路系の不随意運動はみられない
  • 線維束性攣縮(下位運動ニューロン障害)は不随意運動とは区別する
  • 不随意運動がみられる疾患は大脳基底核(錐体外路系)の障害に関連するものが多い
  • 重要用語: 筋萎縮性側索硬化症, 不随意運動なし, 舞踏病, アテトーゼ, ウイルソン病 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 不随意運動 障害部位
舞踏病 素早く不規則な運動 線条体(尾状核・被殻)
ウイルソン病 羽ばたき振戦・ジストニア 大脳基底核(銅沈着)
アテトーゼ ゆっくりくねる運動 大脳基底核
ALS なし(線維束攣縮は別) 上位・下位運動ニューロン
解説画像
鍼灸 第6回(1998) 問題73|不随意運動のみられない疾患はどれか。 解説図
鍼灸 第6回(1998) 問題73|不随意運動のみられない疾患はどれか。
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