学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ F. 認知症性疾患 / Q1140

理由で解く 臨床医学各論

Q1140 神経疾患

出典:鍼灸 第5回(1997) 問題87
問題
痴呆が認められない疾患はどれか。
選択肢
1 アルツハイマー病
2 脳血管障害
3 正常圧水頭症
4 神経症
解答
正解4(神経症)
解説
✗ 1.
アルツハイマー病
✗ 正しい。アルツハイマー病は大脳皮質の変性により記憶障害を主とする進行性の認知症を呈する代表的疾患である。病理学的に老人斑とアルツハイマー神経原線維変化が特徴的で、びまん性の脳萎縮がCT/MRIで確認される。
✗ 2.
脳血管障害
✗ 正しい。脳血管障害は多発性脳梗塞(ラクナ梗塞の多発)などにより血管性認知症(多発脳梗塞型認知症)の原因となる。高血圧の既往があり、階段状の悪化、まだら認知症、錐体路徴候などが特徴的である。
✗ 3.
正常圧水頭症
✗ 正しい。正常圧水頭症は認知症・歩行障害(小刻み歩行)・尿失禁の三徴(Hakim triad)を示す治療可能な認知症(treatable dementia)である。CT/MRIで脳室拡大が認められ、シャント術により症状改善が期待できる。
✓ 4. 誤り
神経症
神経症(不安症、強迫症など)は心理的・環境的要因による機能的障害であり、認知機能は保たれるため痴呆(認知症)は認められない。不安、抑うつ、強迫観念、恐怖症などの精神症状が中心で、器質的な脳病変を伴わない。病識が保たれている点も認知症との重要な鑑別点である。
ポイント
  • 認知症をきたす疾患:アルツハイマー病(変性疾患)、脳血管障害(血管性)、正常圧水頭症(治療可能)
  • 認知症をきたさない疾患:神経症(機能的障害であり器質的脳病変を伴わない)
  • 治療可能な認知症(treatable dementia)には正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏などがあり、早期診断が重要
  • 重要用語: 神経症, アルツハイマー病, 血管性認知症, 正常圧水頭症 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 認知症の有無 病態 特徴的所見
アルツハイマー病 あり 変性疾患 老人斑、神経原線維変化
脳血管障害 あり 血管性 階段状悪化、まだら認知症
正常圧水頭症 あり 髄液循環障害 三徴(認知症・歩行障害・尿失禁)
神経症 なし 機能的障害 病識保持、器質的病変なし
解説画像
鍼灸 第5回(1997) 問題87|痴呆が認められない疾患はどれか。 解説図
鍼灸 第5回(1997) 問題87|痴呆が認められない疾患はどれか。
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