学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ F. 認知症性疾患 / Q1141

理由で解く 臨床医学各論

Q1141 神経疾患

出典:あマ指 第7回(1999) 問題96
問題
中毒性疾患でないのはどれか。
選択肢
1 スモン
2 水俣病
3 イタイイタイ病
4 アルツハイマー病
解答
正解4(アルツハイマー病)
解説
✗ 1.
スモン
✗ 正しい。スモンはキノホルム(整腸剤)の長期服用による薬物中毒(薬害)疾患である。亜急性脊髄・視神経・末梢神経障害(Subacute Myelo-Optico-Neuropathy)を呈し、下肢の感覚障害・腹部症状・視力障害が特徴的である。
✗ 2.
水俣病
✗ 正しい。水俣病は工場排水中のメチル水銀による中毒で、中枢神経障害を呈する公害病である。感覚障害(視野狭窄、聴覚障害、求心性視野狭窄)、運動失調、言語障害、振戦などが出現する。
✗ 3.
イタイイタイ病
✗ 正しい。イタイイタイ病はカドミウム中毒により骨軟化症と腎障害(近位尿細管障害)を呈する公害疾患である。骨の痛み(骨軟化症による病的骨折)、低身長、腎性尿細管性アシドーシスが特徴的である。
✓ 4. 誤り
アルツハイマー病
アルツハイマー病は脳の変性疾患(神経変性疾患)であり中毒性疾患ではない。病理学的にアミロイドβ蛋白の沈着(老人斑)と神経原線維変化(タウ蛋白の異常リン酸化)が特徴的で、外因性の毒物とは無関係である。徐々に進行する記憶障害(特に近時記憶障害)、失見当識、失語・失行・失認が主症状であり、CT/MRIで海馬を中心としたびまん性の脳萎縮を認める。
ポイント
  • 中毒性疾患と変性疾患の違い:中毒性疾患は外因性毒物が原因、変性疾患は内因性の神経細胞変性が原因
  • 代表的な中毒性神経疾患:スモン(キノホルム)、水俣病(メチル水銀)、イタイイタイ病(カドミウム)
  • アルツハイマー病は変性疾患で、老人斑とアルツハイマー神経原線維変化が病理学的特徴
  • 重要用語: アルツハイマー病, 変性疾患, スモン, 水俣病, イタイイタイ病 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 原因物質 主な障害部位
スモン キノホルム 脊髄・視神経・末梢神経
水俣病 メチル水銀 中枢神経系(大脳皮質)
イタイイタイ病 カドミウム 骨・腎臓
解説画像
あマ指 第7回(1999) 問題96|中毒性疾患でないのはどれか。 解説図
あマ指 第7回(1999) 問題96|中毒性疾患でないのはどれか。
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