学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ F. 認知症性疾患 / Q1139

理由で解く 臨床医学各論

Q1139 神経疾患

出典:あマ指 第3回(1995) 問題91
問題
痴呆について誤っている組合せはどれか。
選択肢
1 血管性痴呆 ― 脳梗塞
2 老年痴呆 ― 75歳以上の高齢者
3 初老期痴呆 ― 大脳萎縮
4 二次性痴呆 ― 精神遅滞
解答
正解4(二次性痴呆 - 精神遅滞)
解説
✗ 1.
血管性痴呆 ― 脳梗塞
✗ 正しい。血管性痴呆(脳血管型認知症)は脳梗塞や脳出血による脳血管障害を原因とする認知症であり、階段状の症状増悪が特徴的である。高血圧、糖尿病、高脂血症の既往が危険因子となり、「まだら認知症」(一部の知的機能は保たれる)を呈する。人格は比較的保たれ、病識が残存しやすい。
✗ 2.
老年痴呆 ― 75歳以上の高齢者
✗ 正しい。老年痴呆は75歳以上(一般に65歳以上)の高齢者に多くみられるアルツハイマー型認知症の晩期発症型(アルツハイマー型老年認知症)である。徐々に進行する記憶障害(特に近時記憶障害)、失見当識、意欲減退が特徴的で、病理学的には老人斑と神経原線維変化を認める。
✗ 3.
初老期痴呆 ― 大脳萎縮
✗ 正しい。初老期痴呆(65歳以前に発症)には狭義のアルツハイマー病やピック病などがあり、CT/MRI検査で大脳の萎縮が認められる。アルツハイマー病ではびまん性の脳萎縮(特に海馬・側頭葉内側の萎縮)、ピック病では前頭葉・側頭葉に限局した萎縮(ナイフの刃状萎縮)が特徴的である。
✓ 4. 誤り
二次性痴呆 ― 精神遅滞
精神遅滞(知的障害)は発達期(生後〜18歳頃)に生じる知的機能の発達障害であり、一度獲得した知能が低下する認知症(痴呆)とは全く異なる疾患概念である。二次性痴呆は脳腫瘍、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏症など治療可能な原因疾患による認知症をいい、精神遅滞とは関係がない。よってこの組合せは誤りである。
ポイント
  • 認知症の分類:アルツハイマー型(変性疾患)、脳血管型(脳梗塞・脳出血)、二次性(治療可能な原因による)
  • 精神遅滞と認知症の違い:精神遅滞は発達期からの知的機能の発達障害、認知症は一度獲得した知能が後天的に低下するもの
  • 二次性痴呆(treatable dementia)には正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏症などがあり、早期診断・治療が重要
  • 重要用語: 認知症, 精神遅滞, 二次性痴呆, 血管性痴呆, アルツハイマー型 を正確に理解しておくこと。
比較表
分類 発症時期 知的機能 原因
精神遅滞 発達期(18歳まで) 発達障害 先天性・周産期障害
認知症 成人期以降 後天的低下 変性・血管性・二次性
解説画像
あマ指 第3回(1995) 問題91|痴呆について誤っている組合せはどれか。 解説図
あマ指 第3回(1995) 問題91|痴呆について誤っている組合せはどれか。
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