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理由で解く 臨床医学各論

Q1152 神経疾患

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題50
問題
アルツハイマー病で正しいのはどれか。
選択肢
1 ラクナ梗塞の多発により発症する。
2 アミロイドb蛋白質が蓄積する。
3 初期には記銘力障害はみられない。
4 MRI検査では前頭葉の萎縮が特徴的である。
解答
正解2(アミロイドb蛋白質が蓄積する。)
解説
✗ 1. 誤り
ラクナ梗塞の多発により発症する。
ラクナ梗塞の多発により発症するのは脳血管性認知症(多発脳梗塞型認知症)である。 アルツハイマー病は神経変性疾患であり、血管障害とは異なる病態で、アミロイドβ蛋白の異常蓄積が原因である。
✓ 2. 正しい
アミロイドb蛋白質が蓄積する。
アルツハイマー病ではアミロイドβ蛋白質が脳に蓄積する。老人斑の主成分がアミロイドβ蛋白であり、その沈着とタウ蛋白の異常リン酸化による神経原線維変化が病理学的特徴である。 大脳皮質に多数の老人斑を認め、これが神経細胞の変性・脱落を引き起こす。
✗ 3. 誤り
初期には記銘力障害はみられない。
アルツハイマー病の初期には記銘力障害(近時記憶の障害)がみられる。最も早期に出現する症状であり、最近の出来事を覚えられなくなる。 徐々に進行する物忘れが特徴で、海馬の萎縮と密接に関連している。
✗ 4. 誤り
MRI検査では前頭葉の萎縮が特徴的である。
アルツハイマー病のMRI検査では海馬・側頭葉から頭頂葉にかけてのびまん性大脳萎縮が特徴的である。 前頭葉・側頭葉の限局的萎縮が特徴的なのはピック病(前頭側頭型認知症)であり、アルツハイマー病とは異なる。
ポイント
  • アルツハイマー病ではアミロイドβ蛋白質の蓄積(老人斑)と神経原線維変化が病理学的特徴である。
  • 初期には記銘力障害(近時記憶障害)が必ず出現し、最も重要な初期症状である。
  • MRI所見では海馬を中心とした側頭葉・頭頂葉のびまん性萎縮が特徴的であり、前頭葉萎縮はピック病を示唆する。
  • 重要用語: アミロイドβ蛋白, 老人斑, 神経原線維変化, 海馬萎縮 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 原因 画像所見 初期症状
アルツハイマー病 アミロイドβ蛋白蓄積 海馬・側頭葉〜頭頂葉の萎縮 記銘力障害
脳血管性認知症 多発脳梗塞 多発性梗塞巣・白質病変 局所神経症状
ピック病 タウ蛋白異常 前頭葉・側頭葉の限局的萎縮 人格変化
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題50|アルツハイマー病で正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題50|アルツハイマー病で正しいのはどれか。
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