学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ D. 基底核変性疾患 / Q1114

理由で解く 臨床医学各論

Q1114 神経疾患

出典:あマ指 第8回(2000) 問題94
問題
パーキンソン病について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 脳内ドパミンが減少する。
2 無動がみられる。
3 こきざみ歩行がみられる。
4 錐体路疾患である。
解答
正解4(錐体路疾患である)
解説
✗ 1.
脳内ドパミンが減少する。
✗ 正しい。パーキンソン病では中脳黒質緻密層のドパミン神経細胞が変性脱落するため、基底核(線条体)へのドパミン供給が減少する。これにより基底核の運動統御機構が破綻し、パーキンソニズムと呼ばれる特有の運動障害が出現する。治療にはL-ドーパ(ドパミン前駆物質)が用いられる。
✗ 2.
無動がみられる。
✗ 正しい。無動(寡動)はパーキンソン病の四大症状の一つであり、動作の開始に時間がかかり、開始した動作もゆっくりとしかできない現象をいう。日常生活動作の遅延として現れ、ADLの低下につながる。
✗ 3.
こきざみ歩行がみられる。
✗ 正しい。こきざみ歩行(小刻み歩行)はパーキンソン病に特徴的な歩行障害であり、歩幅が狭く前傾姿勢で歩く。姿勢反射障害により突進現象(加速現象)やすくみ足を伴うこともある。
✓ 4. 誤り
錐体路疾患である。
パーキンソン病は錐体路疾患ではなく錐体外路疾患である。錐体路は大脳皮質運動野から脊髄前角細胞に至る随意運動の経路であり、障害されると痙性麻痺・腱反射亢進・病的反射が出現する。一方、パーキンソン病は大脳基底核を中心とする錐体外路系の障害であり、安静時振戦・筋固縮・無動・姿勢反射障害が出現する。両者の違いは国家試験で頻出の鑑別ポイントである。
ポイント
  • パーキンソン病は錐体外路疾患であり、錐体路疾患ではない
  • 錐体路障害→痙性麻痺・腱反射亢進・病的反射 / 錐体外路障害→振戦・固縮・無動
  • L-ドーパは脳内でドパミンに変換され、不足するドパミンを補充する
  • 重要用語: 錐体外路疾患, 錐体路疾患, パーキンソン病, L-ドーパ を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 錐体路障害 錐体外路障害(パーキンソン病)
障害部位 大脳皮質→脊髄前角 大脳基底核(黒質→線条体)
麻痺の種類 痙性麻痺 筋固縮(麻痺なし)
筋緊張 痙縮(折りたたみナイフ現象) 固縮(歯車様・鉛管様)
腱反射 亢進 正常
病的反射 陽性(バビンスキー反射) 陰性
不随意運動 なし 安静時振戦
治療 リハビリテーション L-ドーパ
解説画像
あマ指 第8回(2000) 問題94|パーキンソン病について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第8回(2000) 問題94|パーキンソン病について誤っている記述はどれか。
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