学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ D. 基底核変性疾患 / Q1115

理由で解く 臨床医学各論

Q1115 神経疾患

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題78
問題
ウィルソン病でみられないのはどれか。
選択肢
1 肝硬変
2 対麻痺
3 構音障害
4 角膜輪
解答
正解2(対麻痺)
解説
✗ 1.
肝硬変
✗ 正しい。ウィルソン病では銅の蓄積がもっとも高度なのは肝臓であり、肝細胞の壊死と線維化により慢性肝炎から肝硬変へ進行する。下痢・腹痛・黄疸・肝脾腫大などの腹部症状もみられる。
✓ 2. 誤り
対麻痺
対麻痺(両下肢の麻痺)は脊髄障害でみられる錐体路障害の症状であり、ウィルソン病ではみられない。ウィルソン病の神経症状は大脳基底核への銅沈着による錐体外路症状(振戦・構音障害・ジストニア・アテトーゼ)が主体であり、錐体路障害による対麻痺は呈さない。対麻痺は脊髄損傷や脊髄腫瘍、多発性硬化症などでみられる。
✗ 3.
構音障害
✗ 正しい。大脳基底核(レンズ核)への銅沈着により錐体外路症状として構音障害が出現する。70%が神経症状を初発とし、構音障害は比較的早期からみられることが多い。
✗ 4.
角膜輪
✗ 正しい。カイザーフライシャー角膜輪は角膜縁のデスメ膜への銅沈着により緑色の色素沈着が環状に認められるもので、ウィルソン病のもっとも特徴的な診断所見である。細隙灯顕微鏡検査で確認できる。
ポイント
  • ウィルソン病の三徴:肝障害(肝硬変)、錐体外路症状(振戦・構音障害)、カイザーフライシャー角膜輪
  • 対麻痺は脊髄障害の症状であり、ウィルソン病の錐体外路障害では生じない
  • 常染色体劣性遺伝で20歳までに発症し、男性に多い
  • 重要用語: ウィルソン病, カイザーフライシャー角膜輪, 銅代謝異常, 対麻痺 を正確に理解しておくこと。
比較表
ウィルソン病の主要所見 病態 具体的症状
肝障害 肝臓への銅沈着 肝硬変、黄疸、肝脾腫大
神経症状 大脳基底核への銅沈着 振戦、構音障害、ジストニア
眼所見 角膜への銅沈着 カイザーフライシャー角膜輪
検査所見 銅代謝異常 血清セルロプラスミン低下、尿中銅排泄量低下
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題78|ウィルソン病でみられないのはどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題78|ウィルソン病でみられないのはどれか。
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