学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ D. 基底核変性疾患 / Q1112

理由で解く 臨床医学各論

Q1112 神経疾患

出典:鍼灸 第7回(1999) 問題86
問題
神経疾患と症状との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 パーキンソン病 ― 無動
2 進行性筋ジストロフィー症 ― 筋強剛(固縮)
3 脊髄空洞症 ― 感覚解離
4 アテトーゼ ― 不随意運動
解答
正解2(進行性筋ジストロフィー症 ― 筋強剛(固縮))
解説
✗ 1.
パーキンソン病 ― 無動
✗ 正しい。パーキンソン病では中脳黒質のドパミン神経細胞の変性により無動(寡動)を呈する。動作の開始に時間がかかり、開始した動作もゆっくりとしかできない現象で、四大症状(安静時振戦・筋固縮・無動・姿勢反射障害)の一つである。
✓ 2. 誤り
進行性筋ジストロフィー症 ― 筋強剛(固縮)
進行性筋ジストロフィー症は遺伝性の筋疾患であり、筋強剛(固縮)はみられない。筋強剛(筋固縮)はパーキンソン病の錐体外路症状であり、筋の被動時に歯車様抵抗として感じられる。進行性筋ジストロフィーの特徴的症状は進行性の筋力低下・筋萎縮であり、Duchenne型では仮性肥大(腓腹筋の肥大)、ガワーズ徴候(登はん性起立:床から立ち上がる際に手を膝に当てて体をよじるように立ち上がる)、動揺性歩行(アヒル歩行)がみられる。
✗ 3.
脊髄空洞症 ― 感覚解離
✗ 正しい。脊髄空洞症では脊髄中心部に空洞が形成され、交叉する温痛覚の伝導路が障害される一方、後索を通る深部感覚や触覚は保たれるため、感覚解離(温痛覚の障害+触覚の保持)を呈する。宙吊型の温痛覚障害が特徴的である。
✗ 4.
アテトーゼ ― 不随意運動
✗ 正しい。アテトーゼは大脳基底核の障害により生じる不随意運動であり、四肢遠位部優位にゆっくりとしたねじるような奇妙な運動を呈する。脳性小児麻痺のアテトーゼ型でしばしばみられる。
ポイント
  • 進行性筋ジストロフィーの主症状は筋力低下・筋萎縮であり、筋固縮はパーキンソン病の症状
  • 疾患と症状の誤った組合せを識別するには、各疾患の病態を正確に理解する必要がある
  • Duchenne型筋ジストロフィー:仮性肥大、ガワーズ徴候、動揺性歩行が特徴
  • 重要用語: 進行性筋ジストロフィー, 筋固縮, パーキンソン病, ガワーズ徴候 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 主な症状 障害部位
パーキンソン病 無動・安静時振戦・筋固縮 中脳黒質(錐体外路)
進行性筋ジストロフィー 筋力低下・筋萎縮・仮性肥大 骨格筋(筋原性)
脊髄空洞症 感覚解離(宙吊型温痛覚障害) 脊髄中心部
アテトーゼ ゆっくりねじるような不随意運動 大脳基底核
解説画像
鍼灸 第7回(1999) 問題86|神経疾患と症状との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第7回(1999) 問題86|神経疾患と症状との組合せで誤っているのはどれか。
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