学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ A. 脳血管疾患 / Q1081

理由で解く 臨床医学各論

Q1081 神経疾患

出典:あマ指 第27回(2019) 問題55
問題
脳塞栓について正しいのはどれか。
選択肢
1 緩徐に発症する。
2 心房細動に合併する。
3 高血圧はリスクファクターである。
4 激しい頭痛を伴う。
解答
正解2(心房細動に合併する)
解説
✗ 1. 誤り
緩徐に発症する。
脳塞栓はもっとも急激な症状の発現を呈し、発症後数分で症状が完成するのが特徴である。心臓内や頸動脈・大動脈弓の血栓が剥離して塞栓子となり、脳血管を突然閉塞するため、片麻痺などの局所神経症候が突発する。緩徐に発症するのはアテローム血栓性脳梗塞の特徴である。
✓ 2. 正しい
心房細動に合併する。
脳塞栓の原因として心房細動がもっとも重要である。心房細動では心房が有効に収縮しないため左房内に血流のうっ滞が生じ、血栓が形成されやすい。この血栓が剥離して脳動脈に飛来し閉塞を起こす。その他、心筋梗塞、僧帽弁狭窄症、感染性心内膜炎なども脳塞栓の原因となる心疾患である。急性期には抗凝固療法(ヘパリン、その後ワーファリン)を行う。
✗ 3. 誤り
高血圧はリスクファクターである。
高血圧はアテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞の重要なリスクファクターであるが、脳塞栓の主なリスクファクターは心房細動などの心疾患である。脳塞栓の予防には抗凝固療法が重要であり、降圧療法だけでは予防できない。
✗ 4. 誤り
激しい頭痛を伴う。
激しい頭痛を伴うのはクモ膜下出血や脳出血の特徴である。脳塞栓(脳梗塞)では通常、激しい頭痛は初発症状とならない。ただし、出血性梗塞に移行した場合は頭痛が出現することがある。
ポイント
  • 脳塞栓は突然発症し、心房細動がもっとも重要な原因疾患である
  • 脳塞栓の治療は抗凝固療法(ヘパリン→ワーファリン)が主体であり、抗トロンビン薬は使用しない
  • 脳血栓とは治療法が異なるため、正確な病型分類が重要
  • 重要用語: 脳塞栓, 心房細動, 抗凝固療法, 出血性梗塞 を正確に理解しておくこと。
比較表
脳梗塞の病型 発症様式 主なリスクファクター 治療・予防
脳塞栓 突然発症(数分で完成) 心房細動、弁膜症 抗凝固療法(ヘパリン、ワーファリン)
アテローム血栓性脳梗塞 段階的進行(数時間〜数日) 高血圧、糖尿病、脂質異常症 抗血小板薬(アスピリンなど)
ラクナ梗塞 緩徐発症 高血圧 降圧療法、抗血小板薬
解説画像
あマ指 第27回(2019) 問題55|脳塞栓について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第27回(2019) 問題55|脳塞栓について正しいのはどれか。
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