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理由で解く 臨床医学各論

Q0774 整形外科疾患

出典:鍼灸 第26回(2018) 問題80
問題
「62歳の男性。右側の腰から下肢にかけての痛み、しびれがある。歩くと痛みは強くなり歩けなくなるが、休むと再び歩けるようになる。足関節・上腕血圧比は10であった。」歩行中に右下肢痛が起こったときの対応として、体幹の姿位で最も適切なのはどれか。
選択肢
1 前屈
2 後屈
3 右側屈
4 左側屈
解答
正解1(前屈)
解説
✓ 1. 正しい
前屈
腰部脊柱管狭窄症では、体幹を前屈させると脊柱管が拡大し、馬尾神経や神経根への圧迫が軽減されるため症状が緩和する。患者は歩行中に症状が出現すると、しゃがみ込んだり前かがみになることで楽になる。自転車こぎの姿勢(前傾位)や買い物カートを押す姿勢で症状が軽減するのも同じ原理であり、このように前屈位で症状が改善することが腰部脊柱管狭窄症の大きな臨床的特徴である。
✗ 2. 誤り
後屈
後屈(腰椎の伸展)すると脊柱管がさらに狭窄し、黄色靭帯のたわみや椎間関節の前方への突出が加わるため、神経への圧迫が増悪し症状が悪化する。腰部脊柱管狭窄症の患者は腰を反らす動作を避けるべきである。
✗ 3. 誤り
右側屈
右側屈は患側である右側の椎間孔を狭小化させる可能性があり、右下肢痛の改善にはつながらない。脊柱管の断面積を有効に拡大する姿位ではなく、むしろ症状を悪化させる恐れがある。
✗ 4. 誤り
左側屈
左側屈も脊柱管の狭窄を効果的に緩和する姿位ではない。側屈は一側の神経根症状に対して多少の変化を生じうるが、脊柱管狭窄症の間欠性跛行に対する症状改善には前屈が最も有効かつ確実である。
ポイント
  • 腰部脊柱管狭窄症では前屈位で脊柱管が拡大し症状が軽減し、後屈位で脊柱管が狭窄し症状が増悪する
  • 自転車こぎや前かがみ歩行では症状が軽く、直立歩行や後屈で症状が出現するのが特徴的である
  • 間欠性跛行の対処として前屈姿勢をとることは、日常生活指導における重要な助言となる
  • 重要用語: 腰部脊柱管狭窄症, 前屈位での症状緩和, 間欠性跛行, 脊柱管拡大 を正確に理解しておくこと。
比較表
姿位 脊柱管への影響 症状への影響
前屈 脊柱管が拡大 症状が軽減
後屈 脊柱管が狭窄 症状が増悪
座位 脊柱管が拡大(前屈位) 症状が軽減
直立歩行 脊柱管がやや狭窄 症状が出現しやすい
解説画像
鍼灸 第26回(2018) 問題80|「62歳の男性。右側の腰から下肢にかけての痛み、しびれがある。歩くと痛みは強くなり歩けなくなるが、休むと再び歩けるようになる。足関節・上腕血圧比は10であった。」歩行中に右下肢痛が起こったときの対応として、体幹の姿位で最も適切なのはどれか。 解説図
鍼灸 第26回(2018) 問題80|「62歳の男性。右側の腰から下肢にかけての痛み、しびれがある。歩くと痛みは強くなり歩けなくなるが、休むと再び歩けるようになる。足関節・上腕血圧比は10であった。」歩行中に右下肢痛が起こったときの対応として、体幹の姿位で最も適切なのはどれか。
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