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理由で解く 臨床医学各論

Q0775 整形外科疾患

出典:あマ指 第27回(2019) 問題58
問題
腰椎椎間板ヘルニアの診断を受けている患者が今朝から急に尿閉となった。速やかに行うべき治療法はどれか。
選択肢
1 ベッド上安静
2 副腎皮質ステロイドの投与
3 腰部硬膜外ブロック
4 椎間板切除術
解答
正解4(椎間板切除術)
解説
✗ 1. 誤り
ベッド上安静
ベッド上安静は腰椎椎間板ヘルニアの急性期における基本的な保存的治療の一つであるが、尿閉(膀胱直腸障害)が出現した場合は馬尾症候群を意味する。馬尾症候群は放置すると不可逆的な神経損傷に至るため、安静のみでは対応できず、緊急的な外科的除圧が必要となる。
✗ 2. 誤り
副腎皮質ステロイドの投与
副腎皮質ステロイドは神経根周囲の炎症や浮腫を軽減する目的で用いられるが、馬尾症候群による急性尿閉に対しては効果が不十分であり、根本的な除圧が必要である。ステロイド投与で経過観察している間に馬尾神経の不可逆的損傷が進行する危険がある。
✗ 3. 誤り
腰部硬膜外ブロック
腰部硬膜外ブロックは椎間板ヘルニアによる疼痛管理に有効な保存的治療であるが、馬尾症候群に対する根本的治療にはならない。疼痛のみの症状であれば適応となりうるが、膀胱直腸障害が出現した場合は手術が最優先される。
✓ 4. 正しい
椎間板切除術
腰椎椎間板ヘルニアで急性の尿閉(膀胱直腸障害)が出現した場合、巨大ヘルニアによる馬尾症候群を意味し、緊急手術の絶対適応である。椎間板切除術(ラブ法など)により脱出した髄核を摘出し、馬尾神経の除圧を速やかに行う必要がある。膀胱直腸障害の発症から手術までの時間が短いほど機能回復の見込みが高く、48時間以内の手術が推奨されている。
ポイント
  • 腰椎椎間板ヘルニアで膀胱直腸障害が出現した場合は馬尾症候群であり、緊急手術(椎間板切除術)の絶対適応である
  • 膀胱直腸障害は不可逆的になりうるため、保存的治療で時間を浪費してはならない
  • 発症から48時間以内の手術が機能回復の鍵であり、迅速な判断が求められる
  • 重要用語: 馬尾症候群, 膀胱直腸障害, 緊急手術, 椎間板切除術, ラブ法 を正確に理解しておくこと。
比較表
腰椎椎間板ヘルニアの治療方針 適応
膀胱直腸障害(馬尾症候群) 緊急手術の絶対適応
高度の足関節下垂(下垂足) 手術適応
3か月以上の保存療法に抵抗 手術適応を検討
疼痛のみ(神経脱落なし) 保存療法が原則
解説画像
あマ指 第27回(2019) 問題58|腰椎椎間板ヘルニアの診断を受けている患者が今朝から急に尿閉となった。速やかに行うべき治療法はどれか。 解説図
あマ指 第27回(2019) 問題58|腰椎椎間板ヘルニアの診断を受けている患者が今朝から急に尿閉となった。速やかに行うべき治療法はどれか。
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