学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ A. 脳血管疾患 / Q1072

理由で解く 臨床医学各論

Q1072 神経疾患

出典:あマ指 第11回(2003) 問題86
問題
動脈硬化の部位とその症状との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 内頸動脈 ― 間欠跛行
2 冠動脈 ― 胸痛
3 腎動脈 ― 高血圧
4 大腿動脈 ― 冷感
解答
正解1(内頸動脈 間欠跛行)
解説
✓ 1. 誤り
内頸動脈 ― 間欠跛行
内頸動脈は脳へ血液を供給する主要な動脈であり、その動脈硬化では脳虚血症状が出現する。具体的には一過性脳虚血発作(TIA)として一過性黒内障(同側の一時的な視力障害)、対側の片麻痺・感覚障害、失語(優位半球)などが生じ、進行すれば脳梗塞に至る。間欠跛行は下肢動脈(大腿動脈・膝窩動脈など)の閉塞性動脈硬化症(ASO)の症状であり、歩行中の下肢痛と休息による改善を特徴とする。内頸動脈と間欠跛行の組合せは誤りである。
✗ 2.
冠動脈 ― 胸痛
✗ 正しい。冠動脈の動脈硬化(冠動脈硬化症)により心筋への血液供給が低下し、心筋虚血による胸痛が出現する。労作時の胸部圧迫感や絞扼感は狭心症の特徴であり、冠動脈の完全閉塞による持続性胸痛は心筋梗塞を示す。冠動脈硬化→胸痛の組合せは正しく、虚血性心疾患の基本的な病態である。
✗ 3.
腎動脈 ― 高血圧
✗ 正しい。腎動脈の動脈硬化による狭窄は腎血流を低下させ、傍糸球体装置からのレニン分泌が亢進する。これによりレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系が活性化し、腎血管性高血圧(二次性高血圧の一因)が発症する。若年者の高血圧や薬剤抵抗性高血圧では腎動脈狭窄を鑑別に挙げる必要がある。
✗ 4.
大腿動脈 ― 冷感
✗ 正しい。大腿動脈の動脈硬化による閉塞性動脈硬化症(ASO)では下肢の血流低下により冷感、しびれが出現する。Fontaine分類ではI度(冷感・しびれ)、II度(間欠跛行)、III度(安静時疼痛)、IV度(潰瘍・壊疽)と段階的に重症化する。大腿動脈と冷感の組合せは正しい。
ポイント
  • 内頸動脈の動脈硬化ではTIAや脳梗塞の症状(片麻痺、失語、一過性黒内障)が出現し、間欠跛行は下肢動脈疾患の症状である
  • 動脈硬化は全身の動脈に生じうるが、障害される臓器により特徴的な虚血症状が異なる
  • 閉塞性動脈硬化症(ASO)のFontaine分類(I〜IV度)を理解する
  • 内頸動脈狭窄に対しては頸動脈内膜剥離術(CEA)やステント留置術(CAS)が治療として行われる
  • 重要用語: 内頸動脈と間欠跛行の鑑別、TIA、閉塞性動脈硬化症、Fontaine分類 を正確に理解しておくこと。
比較表
動脈硬化の部位 主な症状 関連疾患
内頸動脈 TIA、脳梗塞(片麻痺・失語)、一過性黒内障 アテローム血栓性脳梗塞
冠動脈 胸痛(圧迫感・絞扼感) 狭心症、心筋梗塞
腎動脈 高血圧(二次性) 腎血管性高血圧
大腿動脈 冷感、間欠跛行、安静時疼痛 閉塞性動脈硬化症(ASO)
解説画像
あマ指 第11回(2003) 問題86|動脈硬化の部位とその症状との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第11回(2003) 問題86|動脈硬化の部位とその症状との組合せで誤っているのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手