学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ A. 脳血管疾患 / Q1060

理由で解く 臨床医学各論

Q1060 神経疾患

出典:あマ指 第22回(2014) 問題73
問題
「60歳の男性。高血圧で内服中であった。突然の意識障害にて救急搬送された。昏睡状態で、眼球は正中固定し、著しい縮瞳がみられた。四肢は伸展・内旋し、手首は回内・屈曲状態であった。」考えられる病変部位はどれか。
選択肢
1 被殻
2 視床
3
4 内包
解答
正解3(橋)
解説
✗ 1. 誤り
被殻
被殻出血は脳出血の最好発部位(約40%)であるが、対側の片麻痺や病巣側への共同偏視が特徴的所見である。著しい縮瞳(pinpoint pupil)や眼球正中固定は被殻出血の典型的所見ではなく、本症例の所見とは合致しない。
✗ 2. 誤り
視床
視床出血では対側の感覚障害が主症状であり、両眼の内下方偏視(鼻先を見るような偏視)が特徴的な眼球所見である。著しい縮瞳は視床出血の特徴的所見ではなく、本症例の所見からは視床出血は考えにくい。
✓ 3. 正しい
眼球正中固定と著しい縮瞳(pinpoint pupil)は橋出血に特徴的な所見である。橋には瞳孔散大に関与する交感神経路が走行しており、橋出血により両側の交感神経路が障害されるため著しい縮瞳を生じる。また、四肢の伸展・内旋(除脳硬直)は中脳〜橋レベルの障害を反映する所見である。高血圧の既往がある本症例では高血圧性橋出血が最も考えられる。
✗ 4. 誤り
内包
内包出血では対側の完全片麻痺(顔面を含む上下肢の麻痺)が特徴的であるが、著しい縮瞳や除脳硬直は通常みられない。内包は錐体路が集中する部位であり、片麻痺が主要な症状である。
ポイント
  • 橋出血の三徴:著しい縮瞳(pinpoint pupil)、眼球正中固定、除脳硬直。これらの所見を見たら橋出血を第一に考える。
  • 脳出血の部位と特徴的な眼球所見:被殻=病巣側への共同偏視、視床=内下方偏視、橋=正中固定+縮瞳。
  • 高血圧は脳出血の最大の危険因子であり、高血圧管理が脳出血予防に直結する。
  • 重要用語: 橋出血、pinpoint pupil、眼球正中固定、除脳硬直、高血圧性脳出血 を正確に理解しておくこと。
比較表
出血部位 頻度 特徴的な眼球所見 その他の特徴
被殻 約40% 病巣側への共同偏視 対側片麻痺
視床 約30% 内下方偏視 対側感覚障害
約10% 正中固定+著しい縮瞳 除脳硬直、予後不良
小脳 約10% 注視麻痺 回転性めまい、小脳失調
解説画像
あマ指 第22回(2014) 問題73|「60歳の男性。高血圧で内服中であった。突然の意識障害にて救急搬送された。昏睡状態で、眼球は正中固定し、著しい縮瞳がみられた。四肢は伸展・内旋し、手首は回内・屈曲状態であった。」考えられる病変部位はどれか。 解説図
あマ指 第22回(2014) 問題73|「60歳の男性。高血圧で内服中であった。突然の意識障害にて救急搬送された。昏睡状態で、眼球は正中固定し、著しい縮瞳がみられた。四肢は伸展・内旋し、手首は回内・屈曲状態であった。」考えられる病変部位はどれか。
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