学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ A. 脳血管疾患 / Q1059

理由で解く 臨床医学各論

Q1059 神経疾患

出典:あマ指 第22回(2014) 問題72
問題
「60歳の男性。高血圧で内服中であった。突然の意識障害にて救急搬送された。昏睡状態で、眼球は正中固定し、著しい縮瞳がみられた。四肢は伸展・内旋し、手首は回内・屈曲状態であった。」この患者の状態はどれか。
選択肢
1 マン・ウェルニッケ肢位
2 除脳硬直
3 除皮質硬直
4 後弓反張
解答
正解2(除脳硬直)
解説
✗ 1. 誤り
マン・ウェルニッケ肢位
マン・ウェルニッケ肢位は片麻痺患者(脳卒中後など)に特徴的な姿勢であり、上肢は屈曲(肘関節屈曲、手関節屈曲、手指屈曲)、下肢は伸展(膝関節伸展、足関節底屈)のパターンを示す。本症例では四肢すべてが伸展しており、マン・ウェルニッケ肢位とは異なる。
✓ 2. 正しい
除脳硬直
除脳硬直は中脳〜橋レベルの障害で生じる姿勢異常であり、四肢がすべて伸展・内旋し、上肢は回内位をとる。本症例の「四肢伸展・内旋、手首回内・屈曲」は除脳硬直の所見に合致する。また、「眼球正中固定、著しい縮瞳」は橋出血を強く示唆する所見である。高血圧の既往がある60歳男性の突然の意識障害から、高血圧性橋出血による除脳硬直と考えられる。
✗ 3. 誤り
除皮質硬直
除皮質硬直は大脳皮質の広範な障害で生じる姿勢異常であり、上肢は屈曲位(肘・手関節屈曲)、下肢は伸展位をとる。本症例では上肢も伸展しているため、除皮質硬直ではなく除脳硬直に該当する。障害部位がより脳幹側(下位)にあることを示す。
✗ 4. 誤り
後弓反張
後弓反張(opisthotonus)は全身の伸筋が強直し、体幹が弓なりに反り返る姿勢である。破傷風、髄膜炎、新生児核黄疸などでみられるが、本症例のような脳出血による肢位の記述とは一致しない。
ポイント
  • 除脳硬直(四肢伸展)と除皮質硬直(上肢屈曲+下肢伸展)の鑑別は重要。除脳硬直のほうが障害が下位(脳幹レベル)にあり、予後不良を示す。
  • 眼球正中固定+著しい縮瞳(pinpoint pupil)は橋出血に特徴的な所見である。
  • 高血圧は脳出血の最大の危険因子であり、血圧管理が脳出血予防に直結する。
  • 重要用語: 除脳硬直、除皮質硬直、橋出血、縮瞳、高血圧性脳出血 を正確に理解しておくこと。
比較表
姿勢異常 上肢 下肢 障害部位
除皮質硬直 屈曲位 伸展位 大脳皮質〜内包
除脳硬直 伸展・内旋位 伸展・内旋位 中脳〜橋
解説画像
あマ指 第22回(2014) 問題72|「60歳の男性。高血圧で内服中であった。突然の意識障害にて救急搬送された。昏睡状態で、眼球は正中固定し、著しい縮瞳がみられた。四肢は伸展・内旋し、手首は回内・屈曲状態であった。」この患者の状態はどれか。 解説図
あマ指 第22回(2014) 問題72|「60歳の男性。高血圧で内服中であった。突然の意識障害にて救急搬送された。昏睡状態で、眼球は正中固定し、著しい縮瞳がみられた。四肢は伸展・内旋し、手首は回内・屈曲状態であった。」この患者の状態はどれか。
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