学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ A. 脳血管疾患 / Q1054

理由で解く 臨床医学各論

Q1054 神経疾患

出典:あマ指 第25回(2017) 問題75
問題
「75歳の男性。病院を受診し、脳梗塞による軽い片麻痺と診断された。」麻痺側で亢進する反射はどれか。
選択肢
1 角膜反射
2 挙睾筋反射
3 腹壁反射
4 アキレス腱反射
解答
正解4(アキレス腱反射)
解説
✗ 1. 誤り
角膜反射
角膜反射は三叉神経(求心路)と顔面神経(遠心路)を介する脳幹レベルの反射であり、角膜を刺激すると反射的に閉眼する。意識レベルの評価に用いられるが、上位運動ニューロン障害で亢進するものではなく、脳幹障害で消失する。大脳レベルの脳梗塞では角膜反射は保たれる。
✗ 2. 誤り
挙睾筋反射
挙睾筋反射は表在反射(皮膚反射)の一つであり、大腿内側の皮膚を刺激すると同側の精巣が挙上する反射である。上位運動ニューロン障害では表在反射は減弱・消失するため、脳梗塞による片麻痺では挙睾筋反射は亢進ではなく低下・消失する。
✗ 3. 誤り
腹壁反射
腹壁反射は表在反射の一つであり、腹壁の皮膚を刺激すると同側の腹筋が収縮して臍が刺激側に偏位する反射である。上位運動ニューロン障害では腹壁反射は減弱・消失する。脳梗塞では麻痺側の腹壁反射が消失することが特徴的所見となり、亢進することはない。
✓ 4. 正しい
アキレス腱反射
アキレス腱反射は深部腱反射(伸張反射)の一つであり、S1神経根レベルの反射弓で構成される。脳梗塞による上位運動ニューロン障害(錐体路障害)では、脊髄レベルでの反射弓に対する上位からの抑制が解除されるため、深部腱反射は亢進する。アキレス腱反射のほか、膝蓋腱反射・上腕二頭筋反射・上腕三頭筋反射なども同様に亢進し、病的反射であるバビンスキー反射も陽性となる。
ポイント
  • 上位運動ニューロン障害では深部腱反射は亢進し、表在反射は減弱・消失する
  • アキレス腱反射・膝蓋腱反射などの深部腱反射の亢進と、バビンスキー反射陽性が錐体路障害の代表的所見である
  • 表在反射(腹壁反射・挙睾筋反射)と深部腱反射の変化の方向が逆であることを整理しておく
  • 重要用語: 深部腱反射亢進, 表在反射消失, アキレス腱反射, バビンスキー反射, 上位運動ニューロン障害 を正確に理解しておくこと。
比較表
反射の種類 具体例 上位運動ニューロン障害での変化
深部腱反射 アキレス腱反射・膝蓋腱反射 亢進
表在反射 腹壁反射・挙睾筋反射 減弱・消失
病的反射 バビンスキー反射 出現(陽性)
脳神経反射 角膜反射 脳幹障害で消失
解説画像
あマ指 第25回(2017) 問題75|「75歳の男性。病院を受診し、脳梗塞による軽い片麻痺と診断された。」麻痺側で亢進する反射はどれか。 解説図
あマ指 第25回(2017) 問題75|「75歳の男性。病院を受診し、脳梗塞による軽い片麻痺と診断された。」麻痺側で亢進する反射はどれか。
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