学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ A. 脳血管疾患 / Q1053

理由で解く 臨床医学各論

Q1053 神経疾患

出典:あマ指 第25回(2017) 問題74
問題
「75歳の男性。病院を受診し、脳梗塞による軽い片麻痺と診断された。」麻痺側にみられる所見はどれか。
選択肢
1 バレー徴候
2 ロンベルグ徴候
3 ラセーグ徴候
4 ケンプ徴候
解答
正解1(バレー徴候)
解説
✓ 1. 正しい
バレー徴候
バレー(Barre)徴候は、軽度の上位運動ニューロン障害(錐体路障害)を検出するための検査である。上肢では両手を前方に挙上して手掌を上に向け保持させると、麻痺側の上肢が徐々に回内・下降する。下肢では腹臥位で膝を90度に屈曲させて保持させると、麻痺側の下肢が徐々に下降する。脳梗塞による片麻痺では麻痺側でバレー徴候が陽性となり、軽度の筋力低下を鋭敏に検出できるため臨床的に有用な検査である。
✗ 2. 誤り
ロンベルグ徴候
ロンベルグ(Romberg)徴候は、閉眼直立時に体の動揺が著明に増大する所見であり、深部感覚(位置覚)障害を検出する検査である。脊髄後索の障害(脊髄癆など)や末梢神経障害で陽性となる。脳梗塞による片麻痺は運動系の障害であり、ロンベルグ徴候は本症例の評価には適さない。
✗ 3. 誤り
ラセーグ徴候
ラセーグ(Lasegue)徴候は、仰臥位で膝伸展位のまま下肢を挙上させて坐骨神経痛を誘発する検査であり、腰椎椎間板ヘルニアによる神経根圧迫の検出に用いられる。脳梗塞による片麻痺とは無関係な検査であり、末梢神経レベルの障害を評価するものである。
✗ 4. 誤り
ケンプ徴候
ケンプ(Kemp)徴候は、腰椎を後側屈させて腰下肢痛を誘発する検査であり、椎間関節症や腰椎椎間板ヘルニアの評価に用いられる。脳梗塞による片麻痺を検出する検査ではなく、脊椎の局所的な病変を評価するものである。
ポイント
  • バレー徴候は軽度の片麻痺を鋭敏に検出する検査であり、上肢では回内・下降、下肢では腹臥位膝屈曲位からの下降で評価する
  • ロンベルグ徴候は深部感覚障害、ラセーグ徴候・ケンプ徴候は腰椎疾患に関連する検査であり、片麻痺の評価とは異なる
  • 脳梗塞による片麻痺では、バレー徴候のほか深部腱反射亢進・バビンスキー反射陽性などの上位運動ニューロン徴候も認められる
  • 重要用語: バレー徴候, 片麻痺, 上位運動ニューロン障害, ロンベルグ徴候, ラセーグ徴候 を正確に理解しておくこと。
比較表
徴候 検出対象 手技の概要
バレー徴候 軽度の片麻痺(錐体路障害) 上肢挙上保持→回内・下降
ロンベルグ徴候 深部感覚障害(後索障害) 閉眼直立→体動揺増大
ラセーグ徴候 腰椎椎間板ヘルニア 膝伸展位で下肢挙上→坐骨神経痛
ケンプ徴候 椎間関節症・ヘルニア 腰椎後側屈→腰下肢痛
解説画像
あマ指 第25回(2017) 問題74|「75歳の男性。病院を受診し、脳梗塞による軽い片麻痺と診断された。」麻痺側にみられる所見はどれか。 解説図
あマ指 第25回(2017) 問題74|「75歳の男性。病院を受診し、脳梗塞による軽い片麻痺と診断された。」麻痺側にみられる所見はどれか。
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