学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ C. 膵臓疾患 / Q0251

理由で解く 臨床医学各論

Q0251 肝・胆・膵疾患

出典:あマ指 第25回(2017) 問題73
問題
「45歳の男性。飲酒歴は長い。飲酒後に腹痛が出現し、痛みは心窩部および背部に認めた。血液検査ではアミラーゼおよびリパーゼが高値であった。」本疾患でみられる便はどれか。
選択肢
1 新鮮血便
2 脂肪便
3 粘血便
4 タール便
解答
正解2(脂肪便)
解説
✗ 1. 誤り
新鮮血便
新鮮血便は大腸癌、痔核、大腸ポリープなど下部消化管からの出血でみられる便である。 鮮紅色の血液が便に付着または混在するのが特徴であり、出血源が肛門に近いほど鮮血となる。 慢性膵炎では消化管出血は生じないため、新鮮血便は本疾患の所見ではない。
✓ 2. 正しい
脂肪便
慢性膵炎が進行すると膵外分泌機能が低下し、消化酵素(特にリパーゼ)の分泌が著明に減少する。 これにより脂肪の消化吸収が障害され、未消化の脂肪が便中に排出される脂肪便(脂肪性下痢)をきたす。 脂肪便は灰白色で油が浮く泥状便であり、水に浮きやすく悪臭を伴う特徴がある。
✗ 3. 誤り
粘血便
粘血便は潰瘍性大腸炎や細菌性赤痢など大腸の炎症性疾患でみられる便である。 粘液と血液が混じった便であり、大腸粘膜のびまん性炎症・潰瘍形成によって生じる。 慢性膵炎の病態とは関連がない。
✗ 4. 誤り
タール便
タール便(黒色便)は胃潰瘍、十二指腸潰瘍、食道静脈瘤破裂など上部消化管出血でみられる便である。 血液中のヘモグロビンが胃酸により酸化されて黒色タール状を呈するものであり、特有の悪臭がある。 慢性膵炎の所見ではない。
ポイント
  • 慢性膵炎では膵外分泌機能低下により消化酵素(特にリパーゼ)の分泌が減少し、脂肪の消化吸収障害から脂肪便が出現する
  • 脂肪便は灰白色で油が浮く泥状便であり、水に浮きやすく悪臭を伴うのが特徴である
  • 慢性膵炎の進行に伴う三大所見: 脂肪便(膵外分泌障害)、糖尿病(膵内分泌障害)、膵石灰化(画像所見)を整理して覚える
  • 便の性状から原因疾患を推定する問題は頻出であり、各便の特徴と対応疾患を正確に整理しておくこと
  • 重要用語: 慢性膵炎, 脂肪便, 膵外分泌機能低下, リパーゼ を正確に理解しておくこと。
比較表
便の種類 色・性状 代表的疾患
脂肪便 灰白色、油が浮く泥状便 慢性膵炎、吸収不良症候群
新鮮血便 鮮紅色の血液を含む 大腸癌、痔核、大腸ポリープ
粘血便 粘液と血液が混在 潰瘍性大腸炎、細菌性赤痢
タール便 黒色タール状 胃潰瘍、食道静脈瘤破裂
解説画像
あマ指 第25回(2017) 問題73|「45歳の男性。飲酒歴は長い。飲酒後に腹痛が出現し、痛みは心窩部および背部に認めた。血液検査ではアミラーゼおよびリパーゼが高値であった。」本疾患でみられる便はどれか。 解説図
あマ指 第25回(2017) 問題73|「45歳の男性。飲酒歴は長い。飲酒後に腹痛が出現し、痛みは心窩部および背部に認めた。血液検査ではアミラーゼおよびリパーゼが高値であった。」本疾患でみられる便はどれか。
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