学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ A. 脳血管疾患 / Q1052

理由で解く 臨床医学各論

Q1052 神経疾患

出典:鍼灸 第30回(2022) 問題84
問題
「65歳の男性。左片麻痺と意識障害を生じた。頭部CT検査にて右被殻出血と診断され、保存的治療を受けた。リハビリテーションの評価において視覚の見落としが著明であった。」適切な対応はどれか。
選択肢
1 メモをとるように勧める。
2 周囲の人が動作を促す。
3 段差に気を付けるように指導する。
4 同時に複数の課題をさせない。
解答
正解3(段差に気を付けるように指導する。)
解説
✗ 1. 誤り
メモをとるように勧める。
メモをとるように勧めるのは記憶障害(新しい情報を覚えられない、思い出せない)に対する代償手段である。メモリーノートや日記の活用は記憶障害患者のリハビリテーションで用いられる。半側空間無視では視覚情報の見落としが問題であり、メモは本質的な解決にならない。
✗ 2. 誤り
周囲の人が動作を促す。
周囲の人が動作を促すのは発動性低下(自発性の障害、前頭葉損傷などで見られる)や無動、無関心などに対する対応である。半側空間無視では患者自身が左側の存在に気づかないことが問題であり、単に動作を促すだけでは不十分である。
✓ 3. 正しい
段差に気を付けるように指導する。
左半側空間無視がある患者では、左側の視覚情報を認識できないため、特に歩行時に左側の障害物、段差、溝などに気づかず転倒する危険性が非常に高い。段差に注意するよう繰り返し指導し、また左側を意識的に見るよう促すことが重要な対応となる。環境整備として左側の障害物を除去することも有効である。
✗ 4. 誤り
同時に複数の課題をさせない。
同時に複数の課題をさせないのは注意分割障害(同時に複数のことに注意を向けられない)や遂行機能障害に対する配慮である。半側空間無視の主な問題は左側への注意欠如であり、課題の数よりも左側への注意喚起が優先される。
ポイント
  • 半側空間無視患者への対応は、転倒予防などの安全確保が最優先となる
  • 左側への注意を促す訓練(視覚走査訓練)や、環境調整(左側の障害物除去、右側からの声かけ)も有効である
  • 各高次脳機能障害に対する代償手段を区別することが重要で、メモは記憶障害、動作促しは発動性低下、課題制限は注意分割障害に対応する
  • 重要用語: 半側空間無視の対応と各障害の代償手段 を正確に理解しておくこと。
解説画像
鍼灸 第30回(2022) 問題84|「65歳の男性。左片麻痺と意識障害を生じた。頭部CT検査にて右被殻出血と診断され、保存的治療を受けた。リハビリテーションの評価において視覚の見落としが著明であった。」適切な対応はどれか。 解説図
鍼灸 第30回(2022) 問題84|「65歳の男性。左片麻痺と意識障害を生じた。頭部CT検査にて右被殻出血と診断され、保存的治療を受けた。リハビリテーションの評価において視覚の見落としが著明であった。」適切な対応はどれか。
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