学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ A. 脳血管疾患 / Q1055

理由で解く 臨床医学各論

Q1055 神経疾患

出典:あマ指 第1回(1993) 問題90
問題
右側の脳内出血で生じる麻痺はどれか。
選択肢
1 右上肢単麻痺
2 対麻痺
3 右片麻痺
4 左片麻痺
解答
正解4(左片麻痺)
解説
✗ 1. 誤り
右上肢単麻痺
右上肢の単麻痺は左大脳半球の上肢運動野の限局性病変で生じるものであり、右側の脳内出血では生じない。単麻痺とは一肢のみの麻痺であり、脳内出血のような広範な病変では通常、片麻痺(一側上下肢の麻痺)を呈する。
✗ 2. 誤り
対麻痺
対麻痺(paraplegia)は両下肢の麻痺であり、主に胸髄以下の脊髄損傷や脊髄疾患で生じる。一側性の脳内出血では対麻痺は起こらない。対麻痺は両側の錐体路が同時に障害される脊髄レベルの病変に特徴的である。
✗ 3. 誤り
右片麻痺
右片麻痺は左側の大脳(左内包や左大脳基底核など)の病変で生じる。錐体路(皮質脊髄路)は延髄の錐体で交叉するため、脳病変とは反対側に運動麻痺が出現する。したがって右側の脳内出血では右片麻痺ではなく左片麻痺が生じる。
✓ 4. 正しい
左片麻痺
右側の脳内出血では左片麻痺が生じる。これは錐体路(皮質脊髄路)が延髄の錐体で交叉(錐体交叉)するためであり、右大脳半球から出た運動線維は延髄で交叉して左側の脊髄に下行し、左側の運動ニューロンを支配する。したがって右側の脳病変では対側(左側)の上下肢に片麻痺が出現する。脳内出血は内包を通る錐体路を広範に障害するため、上下肢ともに麻痺する片麻痺のパターンを呈する。
ポイント
  • 脳内出血による運動麻痺は錐体交叉により対側に出現する(右脳出血→左片麻痺、左脳出血→右片麻痺)
  • 片麻痺は一側の上下肢の麻痺であり脳病変で生じ、対麻痺は両下肢の麻痺であり胸髄以下の脊髄病変で生じる
  • 頸髄損傷では四肢麻痺(tetraplegia)、胸髄以下の損傷では対麻痺(paraplegia)となる
  • 重要用語: 錐体路交叉、片麻痺 を正確に理解しておくこと。
比較表
麻痺の種類 障害される肢 原因となる病変部位
片麻痺(hemiplegia) 一側の上下肢 対側の大脳(脳内出血・脳梗塞など)
対麻痺(paraplegia) 両下肢 胸髄以下の脊髄損傷
四肢麻痺(tetraplegia) 四肢すべて 頸髄損傷
単麻痺(monoplegia) 一肢のみ 大脳皮質の限局性病変、末梢神経障害など
解説画像
あマ指 第1回(1993) 問題90|右側の脳内出血で生じる麻痺はどれか。 解説図
あマ指 第1回(1993) 問題90|右側の脳内出血で生じる麻痺はどれか。
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