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理由で解く 臨床医学各論

Q1027 血液・造血器疾患

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題57
問題
白血病についてウイルスが原因で日本の西南地方に多いのはどれか。
選択肢
1 成人T 細胞白血病
2 慢性骨髄性白血病
3 急性骨髄性白血病
4 急性リンパ性白血病
解答
正解1(成人T細胞白血病)
解説
✓ 1. 正しい
成人T 細胞白血病
成人T細胞白血病(ATL)はHTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)の感染が原因のウイルス関連白血病であり、日本の九州・沖縄など西南地方に地域的集積が認められる。母乳を介した垂直感染が主な感染経路で、感染後数十年の潜伏期間を経てキャリアの約5%が発症する。
✗ 2. 誤り
慢性骨髄性白血病
慢性骨髄性白血病(CML)はフィラデルフィア染色体(9番と22番の相互転座によるBCR-ABL融合遺伝子)が原因であり、ウイルスは関与しない。地域的偏在もなく、全国的に均等に発生する白血病である。
✗ 3. 誤り
急性骨髄性白血病
急性骨髄性白血病(AML)の原因は染色体異常や遺伝子変異であり、ウイルスは原因ではない。地域的偏在もなく、成人の急性白血病で最も多い型である。放射線や化学物質の曝露が危険因子となることがある。
✗ 4. 誤り
急性リンパ性白血病
急性リンパ性白血病(ALL)は小児に多い白血病であり、ウイルスが原因ではなく、地域的偏在もない。小児急性白血病の約70%を占め、白血病細胞はペルオキシダーゼ反応陰性でリンパ球の表面マーカーが検出される。
ポイント
  • 成人T細胞白血病(ATL)は唯一のウイルス関連白血病であり、HTLV-1の感染が原因である。
  • 日本の九州・沖縄地方に多く、母乳感染が主な伝播経路である。高カルシウム血症を伴うことが特徴である。
  • ATLでは白血病化した異常なT細胞が末梢血液・骨髄・リンパ節で増殖し、白血病型のほか悪性リンパ腫型もある。
  • 重要用語: 成人T細胞白血病、HTLV-1、西南地方、母乳感染 を正確に理解しておくこと。
比較表
白血病の型 原因・特徴
成人T細胞白血病(ATL) HTLV-1ウイルス、西南地方に多い、母乳感染
慢性骨髄性白血病(CML) フィラデルフィア染色体(BCR-ABL)、地域偏在なし
急性骨髄性白血病(AML) 染色体異常・遺伝子変異、成人に多い
急性リンパ性白血病(ALL) 原因不明が多い、小児に多い
解説画像
鍼灸 第28回(2020) 問題57|白血病についてウイルスが原因で日本の西南地方に多いのはどれか。 解説図
鍼灸 第28回(2020) 問題57|白血病についてウイルスが原因で日本の西南地方に多いのはどれか。
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