学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ D. 基底核変性疾患 / Q1125

理由で解く 臨床医学各論

Q1125 神経疾患

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題56
問題
次の文で示す症例に対する歩行介助で最も適切なのはどれか。「58歳の男性。2年前から右手の振戦が出現、後に動作が緩慢になってきた。急に狭くなる場所では足が前に出ない。」
選択肢
1 静かに見守る。
2 積極的に会話する。
3 速いテンポの音楽を流す。
4 メトロノームでリズムをとる。
解答
正解4(メトロノームでリズムをとる)
解説
✗ 1. 誤り
静かに見守る。
すくみ足で歩行困難な患者に対して静かに見守るだけでは不十分であり、すくみ足の改善にはつながらない。転倒のリスクもあるため、適切な介助方法を選択する必要がある。
✗ 2. 誤り
積極的に会話する。
積極的な会話は注意を分散させる二重課題(デュアルタスク)となり、パーキンソン病患者の歩行をかえって悪化させる可能性がある。パーキンソン病では自動的な運動プログラムの実行が障害されているため、注意の分散はすくみ足や歩行障害を増悪させる。
✗ 3. 誤り
速いテンポの音楽を流す。
速いテンポの音楽は逆効果となる可能性がある。パーキンソン病の小刻み歩行に速いリズムを合わせると突進歩行を助長してしまう危険性がある。リズム刺激を用いる場合は患者の歩行速度に合った適切なテンポを設定する必要がある。
✓ 4. 正しい
メトロノームでリズムをとる。
パーキンソン病のすくみ足に対しては、メトロノームなどの外的リズム刺激(聴覚キュー)がもっとも有効な歩行介助法である。パーキンソン病では大脳基底核の障害により内的リズム生成が困難となるが、メトロノームの一定のリズムに合わせて歩くことで、外的キューにより歩行パターンが改善する。同様に、床にテープを貼った目印(視覚キュー)や「いち、に、いち、に」の掛け声(聴覚キュー)も有効である。
ポイント
  • パーキンソン病のすくみ足にはメトロノーム(聴覚キュー)や床の目印(視覚キュー)が有効
  • 外的リズム刺激は内的リズム生成の障害を補完する
  • 二重課題(会話など)は歩行障害を悪化させる可能性がある
  • 重要用語: すくみ足, メトロノーム, 外的リズム刺激, 聴覚キュー, 視覚キュー を正確に理解しておくこと。
比較表
キューの種類 具体例 効果
聴覚キュー メトロノーム、掛け声 歩行リズムの改善
視覚キュー 床のテープ、横線 歩幅の改善
体性感覚キュー タッピング 運動開始の補助
解説画像
鍼灸 第28回(2020) 問題56|次の文で示す症例に対する歩行介助で最も適切なのはどれか。「58歳の男性。2年前から右手の振戦が出現、後に動作が緩慢になってきた。急に狭くなる場所では足が前に出ない。」 解説図
鍼灸 第28回(2020) 問題56|次の文で示す症例に対する歩行介助で最も適切なのはどれか。「58歳の男性。2年前から右手の振戦が出現、後に動作が緩慢になってきた。急に狭くなる場所では足が前に出ない。」
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