学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ D. 基底核変性疾患 / Q1126

理由で解く 臨床医学各論

Q1126 神経疾患

出典:鍼灸 第30回(2022) 問題54
問題
パーキンソン病で振戦が最も起こりやすいのはどれか。
選択肢
1 字を書くとき
2 じっとしているとき
3 何か物を取ろうとするとき
4 からだの前で手を保持するとき
解答
正解2(じっとしているとき)
解説
✗ 1. 誤り
字を書くとき
字を書くときに増悪する振戦は書字振戦(動作時振戦の一種)であり、本態性振戦やジストニアでみられることがある。パーキンソン病では書字時に小字症(字がだんだん小さくなる現象)がみられるが、これは振戦ではなく無動の影響によるものである。
✓ 2. 正しい
じっとしているとき
パーキンソン病の振戦は安静時振戦(静止時振戦)であり、じっとしているとき(安静時)にもっとも出現しやすい。4〜6Hzの規則的な粗大なふるえで、手指の「丸薬を丸めるような」動き(pill-rolling tremor)が典型的である。随意運動を開始すると振戦は減弱・消失する。精神的緊張時には増強することがある。この安静時に出現するという特徴が、他の振戦との最大の鑑別ポイントである。
✗ 3. 誤り
何か物を取ろうとするとき
何か物を取ろうとするとき(目標に手を伸ばすとき)に増悪する振戦は企図振戦(意図振戦)であり、小脳障害で特徴的にみられる。目標に近づくほど振戦が増強する点がパーキンソン病の安静時振戦とは根本的に異なる。
✗ 4. 誤り
からだの前で手を保持するとき
からだの前で手を保持するとき(姿勢保持時)に出現する振戦は姿勢時振戦であり、本態性振戦のもっとも典型的な所見である。本態性振戦は高齢者に多く、アルコール摂取やβ遮断薬により軽減する。
ポイント
  • パーキンソン病の振戦は安静時(じっとしているとき)に最も出現しやすい
  • 安静時振戦は随意運動で減弱し、精神的緊張で増強する
  • 企図振戦(小脳障害)、姿勢時振戦(本態性振戦)との鑑別が重要
  • 重要用語: 安静時振戦, pill-rolling tremor, 企図振戦, 姿勢時振戦 を正確に理解しておくこと。
比較表
振戦の種類 出現時期 代表疾患 特徴
安静時振戦 じっとしているとき パーキンソン病 4〜6Hz、pill-rolling
企図振戦 目標到達時 小脳障害 目標に近づくほど増強
姿勢時振戦 姿勢保持時 本態性振戦 高頻度、β遮断薬で軽減
動作時振戦 動作中全般 本態性振戦ほか 書字・食事で出現
解説画像
鍼灸 第30回(2022) 問題54|パーキンソン病で振戦が最も起こりやすいのはどれか。 解説図
鍼灸 第30回(2022) 問題54|パーキンソン病で振戦が最も起こりやすいのはどれか。
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