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理由で解く 臨床医学各論

Q1182 神経疾患

出典:鍼灸 第30回(2022) 問題53
問題
筋萎縮性側索硬化症によくみられるのはどれか。
選択肢
1 感覚障害
2 眼球運動障害
3 膀胱直腸障害
4 筋線維束性れん縮
解答
正解4(筋線維束性れん縮)
解説
✗ 1. 誤り
感覚障害
感覚障害はALSの陰性4徴候の一つであり、通常みられない。 ALSでは運動ニューロンが選択的に障害され、感覚神経は保たれるため、しびれや痛覚鈍麻は認められない。感覚障害の存在は頚椎症や多発性硬化症など他疾患との鑑別点となる。
✗ 2. 誤り
眼球運動障害
眼球運動障害はALSの陰性4徴候の一つであり、通常みられない。 外眼筋を支配する動眼・滑車・外転神経核は最後まで保たれ、人工呼吸器装着下の超長期生存例でのみ出現しうる。この点は閉じ込め症候群との鑑別にも利用される。
✗ 3. 誤り
膀胱直腸障害
膀胱直腸障害はALSの陰性4徴候の一つであり、通常みられない。 自律神経系は保たれるため、排尿・排便機能は維持される。仙髄のオヌフ核が選択的に温存されることが知られている。
✓ 4. 正しい
筋線維束性れん縮
筋線維束性攣縮(ファスキキュレーション)はALSに最もよくみられる特徴的所見の一つである。 下位運動ニューロン(脊髄前角細胞)の変性により脱神経された筋線維が不随意に収縮する現象で、安静時に筋表面がぴくぴくと動く。四肢や舌に広く認められ、筋電図でも確認される。筋萎縮・筋力低下とともにALSの下位運動ニューロン障害の三大所見である。
ポイント
  • 筋線維束性攣縮(ファスキキュレーション)は下位運動ニューロン障害を反映するALSの特徴的所見である
  • ALSの問題では陰性4徴候(感覚障害・膀胱直腸障害・眼球運動障害・褥瘡)を確実に消去できれば正答に至る
  • 上位運動ニューロン障害(腱反射亢進)と下位運動ニューロン障害(線維束攣縮・筋萎縮)の共存がALSの診断上の特徴
  • 重要用語: 筋線維束性攣縮, ファスキキュレーション, 下位運動ニューロン障害, 陰性4徴候 を正確に理解しておくこと。
比較表
所見 分類 ALSでの出現
筋線維束性攣縮 下位運動ニューロン障害 よくみられる
筋萎縮・筋力低下 下位運動ニューロン障害 よくみられる
腱反射亢進・バビンスキー徴候 上位運動ニューロン障害 よくみられる
感覚障害・膀胱直腸障害・眼球運動障害・褥瘡 陰性4徴候 みられない
解説画像
鍼灸 第30回(2022) 問題53|筋萎縮性側索硬化症によくみられるのはどれか。 解説図
鍼灸 第30回(2022) 問題53|筋萎縮性側索硬化症によくみられるのはどれか。
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