学習トップ理由で解く 臨床医学各論第10章 ▸ A. 赤血球疾患 / Q0995

理由で解く 臨床医学各論

Q0995 血液・造血器疾患

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題72
問題
鉄欠乏性貧血について正しい記述はどれか。
選択肢
1 男性に多くみられる。
2 ハンター舌炎がみられる。
3 フェリチンが減少する。
4 総鉄結合能が減少する。
解答
正解3(フェリチンが減少する)
解説
✗ 1. 誤り
男性に多くみられる。
鉄欠乏性貧血は月経のある成人女性に圧倒的に多く、貧血の中で最も頻度が高い。過多月経や妊娠による鉄需要増大が主な原因であるため、男性よりも女性に多い。男性で鉄欠乏性貧血がみられた場合は、消化管出血(胃潰瘍・大腸癌・痔核など)の精査が必要である。
✗ 2. 誤り
ハンター舌炎がみられる。
ハンター舌炎(萎縮性舌炎)はビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血(悪性貧血)の特徴的症状である。鉄欠乏性貧血でも舌炎は起こりうるが、舌乳頭の萎縮を特徴とするハンター舌炎とは異なる。鉄欠乏性貧血の特徴的所見はスプーン状爪である。
✓ 3. 正しい
フェリチンが減少する。
フェリチンは体内の貯蔵鉄を反映する指標であり、鉄欠乏性貧血では著明に減少する。フェリチンはヘモグロビンが低下する前の早期から減少するため、鉄欠乏状態の早期診断に最も有用な検査である。鉄欠乏性貧血では血清鉄低下・フェリチン低下・TIBC上昇が特徴的所見となる。
✗ 4. 誤り
総鉄結合能が減少する。
鉄欠乏性貧血では血清鉄が減少する一方で、鉄の運搬蛋白であるトランスフェリンが代償性に増加するため、総鉄結合能(TIBC)は増加する(減少ではない)。TIBCが減少するのは慢性炎症性貧血やたんぱく質欠乏状態である。
ポイント
  • 鉄欠乏性貧血の検査所見:血清鉄低下・フェリチン低下・TIBC上昇・小球性低色素性貧血が特徴的である。
  • ハンター舌炎は巨赤芽球性貧血に特異的な所見であり、鉄欠乏性貧血の舌炎とは明確に区別する。
  • 鉄欠乏性貧血は女性に圧倒的に多く、男性で発見された場合は消化管出血の精査が必須である。
  • 重要用語: フェリチン・TIBC・ハンター舌炎・スプーン状爪 を正確に理解しておくこと。
比較表
検査項目 鉄欠乏性貧血 巨赤芽球性貧血 再生不良性貧血
赤血球の大きさ 小球性 大球性 正球性
血清鉄 低下 正常〜増加 正常〜増加
フェリチン 低下 正常〜増加 正常〜増加
TIBC 増加 正常 正常
特徴的所見 スプーン状爪 ハンター舌炎・神経障害 汎血球減少・脂肪髄
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題72|鉄欠乏性貧血について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題72|鉄欠乏性貧血について正しい記述はどれか。
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