学習トップ理由で解く 臨床医学各論第10章 ▸ A. 赤血球疾患 / Q0981

理由で解く 臨床医学各論

Q0981 血液・造血器疾患

出典:あマ指 第9回(2001) 問題83
問題
貧血の治療で誤っている組合せはどれか。
選択肢
1 悪性貧血 ― ビタミンC
2 再生不良性貧血 ― 骨髄移植
3 腎性貧血 ― エリスロポイエチン
4 自己免疫性溶血性貧血 ― 脾臓摘出術
解答
正解1(悪性貧血 - ビタミンC)
解説
✓ 1. 誤り
悪性貧血 ― ビタミンC
悪性貧血の治療はビタミンCではなくビタミンB12(メチルコバラミン、シアノコバラミン)の筋肉注射である。悪性貧血は胃の内因子欠乏によりビタミンB12の吸収が障害される巨赤芽球性貧血であるため、経口投与では吸収されず筋注が必要となる。ビタミンCは抗酸化作用を持つが貧血治療には無効である。
✗ 2.
再生不良性貧血 ― 骨髄移植
✗ 正しい。重症再生不良性貧血では同種造血幹細胞移植(骨髄移植)が根治的治療法として行われる。特に若年者で適合するドナーがいる場合は第一選択となる。中等症・軽症例には免疫抑制療法(抗胸腺細胞グロブリン、シクロスポリンなど)が適応となる。
✗ 3.
腎性貧血 ― エリスロポイエチン
✗ 正しい。腎性貧血は腎臓でのエリスロポイエチン産生低下が原因であるため、遺伝子組換えヒトエリスロポイエチン製剤の皮下注射または静注による補充療法が有効である。慢性腎臓病や透析患者の貧血治療に広く用いられている。
✗ 4.
自己免疫性溶血性貧血 ― 脾臓摘出術
✗ 正しい。自己免疫性溶血性貧血では副腎皮質ステロイド薬が第一選択であるが、ステロイド無効例や依存例には脾臓摘出術が適応となる。脾臓は抗体結合赤血球の破壊の主な場であるため、摘脾により溶血が軽減する。クームス試験陽性が診断の鍵である。
ポイント
  • 悪性貧血の治療はビタミンB12製剤の筋注であり、内因子欠乏のため経口投与は無効である。
  • 各貧血の治療は原因に対応した特異的治療が基本であり、原因と治療の対応を整理しておく。
  • 鉄欠乏性貧血には経口鉄剤、腎性貧血にはエリスロポイエチン、再生不良性貧血には骨髄移植が標準治療である。
  • 重要用語: 悪性貧血, ビタミンB12筋注, エリスロポイエチン を正確に理解しておくこと。
比較表
貧血の種類 治療法 投与経路
鉄欠乏性貧血 鉄剤 経口(または静注)
悪性貧血 ビタミンB12 筋肉注射
葉酸欠乏性貧血 葉酸 経口(または注射)
腎性貧血 エリスロポイエチン 皮下注射または静注
再生不良性貧血 造血幹細胞移植、免疫抑制療法
自己免疫性溶血性貧血 副腎皮質ステロイド、脾摘 経口または静注
解説画像
あマ指 第9回(2001) 問題83|貧血の治療で誤っている組合せはどれか。 解説図
あマ指 第9回(2001) 問題83|貧血の治療で誤っている組合せはどれか。
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