学習トップ理由で解く 臨床医学各論第10章 ▸ A. 赤血球疾患 / Q0973

理由で解く 臨床医学各論

Q0973 血液・造血器疾患

出典:鍼灸 第1回(1993) 問題85
問題
血液疾患について誤っているのはどれか。
選択肢
1 鉄欠乏性貧血はヘモグロビン産生量の減少により生じる。
2 悪性貧血はビタミンB1 の欠乏により生じる。
3 急性白血病では白血球が急激に無制限に増殖する。
4 血友病では第Ⅷ凝固因子が欠乏している。
解答
正解2(悪性貧血はビタミンB1 の欠乏により生じる)
解説
✗ 1.
鉄欠乏性貧血はヘモグロビン産生量の減少により生じる。
✗ 正しい。鉄欠乏性貧血では鉄不足によりヘモグロビン合成が障害され、ヘモグロビン産生量が減少する。鉄はヘモグロビンの中心元素であるヘムの構成成分であり、鉄が欠乏すると小球性低色素性貧血を呈する。血清鉄低下・フェリチン低下・TIBC上昇が特徴的な検査所見である。
✓ 2. 誤り
悪性貧血はビタミンB1 の欠乏により生じる。
悪性貧血はビタミンB12の欠乏により生じる巨赤芽球性貧血であり、ビタミンB1の欠乏ではない。胃粘膜の萎縮(自己免疫性萎縮性胃炎)により内因子の分泌が低下し、ビタミンB12の回腸での吸収が障害される。ビタミンB1(チアミン)の欠乏は脚気やウェルニッケ脳症の原因となるが、貧血は起こさない。
✗ 3.
急性白血病では白血球が急激に無制限に増殖する。
✗ 正しい。急性白血病では骨髄中の芽球(白血病細胞)が急激に無制限に増殖し、正常造血を抑制する。白血病細胞が骨髄を占拠するため、正常な赤血球・白血球・血小板の産生が障害され、貧血・感染症・出血傾向を来す。
✗ 4.
血友病では第Ⅷ凝固因子が欠乏している。
✗ 正しい。血友病A(最も頻度の高い型)では第VIII凝固因子が先天的に欠乏し、出血傾向を呈する。血友病Bでは第IX因子が欠乏する。いずれもX連鎖性(伴性)劣性遺伝で、男性に発症し女性は保因者となる。APTTが延長しPTは正常を示す。
ポイント
  • 悪性貧血の原因はビタミンB12欠乏であり、ビタミンB1欠乏ではない。ビタミンの番号の紛らわしさに注意する。
  • ビタミンB12欠乏では大球性正色素性貧血(巨赤芽球性貧血)を呈し、ハンター舌炎や末梢神経障害も伴う。
  • ビタミンB1欠乏は脚気(末梢神経障害、心不全)やウェルニッケ脳症を来すが、貧血の原因にはならない。
  • 重要用語: 悪性貧血, ビタミンB12, ビタミンB1 を正確に理解しておくこと。
比較表
ビタミン 欠乏症 血液所見 神経症状
ビタミンB12 悪性貧血 大球性正色素性貧血 脊髄後索・側索障害、末梢神経障害
ビタミンB1 脚気、ウェルニッケ脳症 正常 末梢神経炎、眼球運動障害、意識障害
葉酸 巨赤芽球性貧血 大球性正色素性貧血 なし(または軽度)
解説画像
鍼灸 第1回(1993) 問題85|血液疾患について誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第1回(1993) 問題85|血液疾患について誤っているのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手