学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ B. 冠動脈疾患 / Q0934

理由で解く 臨床医学各論

Q0934 循環器疾患

出典:鍼灸 第1回(1993) 問題84
問題
階段を上がる時、前胸部に圧迫感が生じ、数分の安静で軽快するという症状を訴えた場合、最も考えられる疾患はどれか。
選択肢
1 労作時狭心症
2 安静時狭心症
3 異型狭心症
4 心筋梗塞
解答
正解1(労作時狭心症)
解説
✓ 1. 正しい
労作時狭心症
労作時(労作性)狭心症は身体活動により心筋の酸素需要が増大した際に、冠動脈狭窄のため酸素供給が追いつかず胸痛(狭心痛)が出現する病態である。階段昇降などの労作で誘発され、安静にすることで心筋酸素需要が低下し、数分で症状が軽快するのが典型的な経過である。冠動脈の断面積が75%以上狭窄すると労作時に狭心痛が出現する。
✗ 2. 誤り
安静時狭心症
安静時狭心症は安静時に発症する狭心症であり、冠動脈の95%以上の高度狭窄により安静時でも心筋虚血が生じる病態である。本症例は労作時に発症し安静で軽快しているため、安静時狭心症の経過とは合致しない。
✗ 3. 誤り
異型狭心症
異型狭心症(冠攣縮性狭心症)は冠動脈の攣縮(スパズム)により冠血流が一時的に途絶して胸痛が出現する病態である。主に夜中から明け方にかけての安静時に出現し、心電図ではST上昇がみられる。労作との関連は薄く、本症例の経過とは異なる。
✗ 4. 誤り
心筋梗塞
心筋梗塞は冠動脈の完全閉塞により心筋壊死が生じた状態である。胸痛は30分以上持続し、安静やニトログリセリン舌下では軽快しない。冷汗や嘔気・嘔吐を伴うことが多い。「数分の安静で軽快する」胸痛は心筋梗塞の経過と明らかに異なる。
ポイント
  • 狭心症の分類:労作性狭心症は労作で誘発され安静で軽快、安静時狭心症は高度狭窄(95%以上)により安静時にも発症、異型狭心症は冠攣縮により夜間安静時に発症。胸痛の持続時間は数分〜15分。
  • 心筋梗塞との鑑別では「安静やニトログリセリンで軽快するかどうか」と「胸痛の持続時間(30分以上は心筋梗塞を疑う)」が重要。
  • 冠動脈の断面積が75%以上狭窄すると労作時に狭心痛が出現し、95%以上になると安静時にも出現する。
  • 重要用語: 労作性狭心症, 安静時狭心症, 異型狭心症, 心筋梗塞, 冠動脈狭窄 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 発症契機 胸痛の持続 安静での軽快
労作性狭心症 労作時 数分〜15分 軽快する
安静時狭心症 安静時 数分〜15分 ニトログリセリンで軽快
異型狭心症 夜間〜早朝安静時 数分〜15分 自然軽快あり
心筋梗塞 安静時・労作時 30分以上 軽快しない
解説画像
鍼灸 第1回(1993) 問題84|階段を上がる時、前胸部に圧迫感が生じ、数分の安静で軽快するという症状を訴えた場合、最も考えられる疾患はどれか。 解説図
鍼灸 第1回(1993) 問題84|階段を上がる時、前胸部に圧迫感が生じ、数分の安静で軽快するという症状を訴えた場合、最も考えられる疾患はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手