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理由で解く 臨床医学各論

Q0946 循環器疾患

出典:鍼灸 第22回(2014) 問題65
問題
急性心筋梗塞の検査項目で最も有用性が高いのはどれか。
選択肢
1 赤血球数
2 コリンエステラーゼ
3 トロポニン T
4 ALP
解答
正解3(トロポニン T)
解説
✗ 1. 誤り
赤血球数
赤血球数は貧血や多血症の評価に用いる血液学的検査項目であり、心筋梗塞の診断には直接関係がない。心筋梗塞で変動する血液検査項目は白血球数(増加)やCRP(上昇)などの炎症マーカー、および心筋逸脱酵素である。
✗ 2. 誤り
コリンエステラーゼ
コリンエステラーゼ(ChE)は肝臓で産生される酵素であり、肝臓のタンパク質合成能の指標として用いられる。肝硬変や重症肝炎で低下する。心筋梗塞の診断とは無関係の検査項目である。
✓ 3. 正しい
トロポニン T
心筋トロポニンT(cTnT)は急性心筋梗塞の診断において最も有用性が高い検査項目である。心筋に高い特異性を持ち、発症後3〜12時間で上昇し始め、約2週間にわたり高値が持続するため、急性期から亜急性期まで幅広い診断ウインドウを有する。感度・特異度ともに優れており、現在の急性心筋梗塞診断のゴールドスタンダードとされている。
✗ 4. 誤り
ALP
ALP(アルカリホスファターゼ)は肝胆道系疾患(胆汁うっ滞)や骨疾患(骨折、骨腫瘍、副甲状腺機能亢進症など)で上昇する酵素であり、心筋梗塞の診断には適さない検査項目である。
ポイント
  • 急性心筋梗塞の血液検査マーカーの上昇時期を整理する:ミオグロビン(1〜4時間)→CK-MB(4〜6時間)→トロポニンT(3〜12時間、2週間持続)→GOT/LDH(6〜12時間)。トロポニンTは心筋特異性と診断期間の長さで最も有用。
  • 酵素の臓器特異性を理解する:トロポニンT=心筋、ChE=肝臓、ALP=肝胆道系・骨。各酵素がどの臓器に特異的かを問う問題は頻出である。
  • BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)は心不全と心筋傷害の程度を反映し、予後マーカーとしても有用である。
  • 重要用語: トロポニンT, 心筋逸脱酵素, CK-MB, ミオグロビン, 心筋特異性 を正確に理解しておくこと。
比較表
検査項目 上昇開始 ピーク 正常化 特徴
ミオグロビン 1〜4時間 6〜12時間 1〜2日 早期診断に有用
CK-MB 4〜6時間 18〜24時間 3〜4日 心筋特異性高い
トロポニンT 3〜12時間 12〜48時間 約2週間 最も有用
GOT(AST) 6〜12時間 24〜48時間 4〜7日 非特異的
解説画像
鍼灸 第22回(2014) 問題65|急性心筋梗塞の検査項目で最も有用性が高いのはどれか。 解説図
鍼灸 第22回(2014) 問題65|急性心筋梗塞の検査項目で最も有用性が高いのはどれか。
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