学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ B. 冠動脈疾患 / Q0947

理由で解く 臨床医学各論

Q0947 循環器疾患

出典:鍼灸 第23回(2015) 問題68
問題
狭心症について正しいのはどれか。
選択肢
1 心電図ではP 波の変化が特徴である。
2 発作時にはニトログリセリンが有効である。
3 冠攣縮型による狭心症は日中に起こりやすい。
4 不安定狭心症は心筋梗塞へ移行しにくい。
解答
正解2(発作時にはニトログリセリンが有効である。)
解説
✗ 1. 誤り
心電図ではP 波の変化が特徴である。
狭心症の心電図変化はST部分の変化が特徴であり、P波の変化ではない。労作性狭心症の発作時には心内膜下虚血によるST低下がみられ、冠攣縮性(異型)狭心症の発作時にはST上昇がみられる。P波は心房の興奮を示す波形であり、狭心症とは無関係である。
✓ 2. 正しい
発作時にはニトログリセリンが有効である。
狭心症発作時にはニトログリセリンの舌下投与またはスプレー噴射が有効であり、冠動脈を拡張させるとともに静脈系の拡張により心臓への前負荷を軽減することで、心筋虚血が速やかに改善される。ニトログリセリンは狭心症の発作時治療の第一選択薬であり、通常数分以内に効果が発現する。
✗ 3. 誤り
冠攣縮型による狭心症は日中に起こりやすい。
冠攣縮型(異型)狭心症は冠血管の攣縮(スパズム)により生じ、主に夜中から明け方にかけての安静時に発症する。日中の活動時に起こりやすいのではなく、安静時に起こりやすい点が労作性狭心症との違いである。喫煙・飲酒・ストレスが誘因となることが知られている。
✗ 4. 誤り
不安定狭心症は心筋梗塞へ移行しにくい。
不安定狭心症は急性冠症候群に含まれ、心筋梗塞に移行するリスクが高い病態である。脂質性プラークの破裂を契機とした血栓形成が進行すれば冠動脈の完全閉塞(心筋梗塞)に至る危険がある。最初の症状出現後1ヵ月以内の狭心症や、発作の頻度・強度・持続時間が増している場合は要注意である。
ポイント
  • 狭心症の発作時治療はニトログリセリン(舌下投与)が第一選択である。心電図変化はST部分の変化(ST低下またはST上昇)が特徴であり、P波変化ではない。
  • 冠攣縮性狭心症は夜間〜早朝の安静時に好発し、「日中に起こりやすい」は誤りである。労作性狭心症と発症時間帯を混同しないこと。
  • 不安定狭心症は急性冠症候群に含まれ、心筋梗塞への移行リスクが高い。「移行しにくい」は明確な誤りである。
  • 重要用語: ニトログリセリン, ST変化, 冠攣縮性狭心症, 不安定狭心症, 急性冠症候群 を正確に理解しておくこと。
比較表
狭心症の分類 発症状況 機序 心電図変化
労作性狭心症 労作時 動脈硬化による器質的狭窄 ST低下
冠攣縮性(異型)狭心症 安静時(夜間〜早朝) 冠動脈の攣縮 ST上昇
不安定狭心症 安静時・労作時 プラーク破裂+血栓形成 ST低下またはST上昇
解説画像
鍼灸 第23回(2015) 問題68|狭心症について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第23回(2015) 問題68|狭心症について正しいのはどれか。
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