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理由で解く 臨床医学各論

Q0945 循環器疾患

出典:鍼灸 第17回(2009) 問題76
問題
心筋梗塞の心電図変化で誤っているのはどれか。
選択肢
1 ST上昇
2 異常Q波
3 冠性T波
4 PQ時間短縮
解答
正解4(PQ時間短縮)
解説
✗ 1.
ST上昇
✗ 正しい。この記述は正しい。ST上昇は急性心筋梗塞の超急性期から急性期にみられる重要な心電図所見である。梗塞部位に対応する誘導でST部分が上昇し、心筋の貫壁性虚血・壊死を反映する。ST上昇は経時的に改善するが、その後に異常Q波やT波変化が出現する。
✗ 2.
異常Q波
✗ 正しい。この記述は正しい。異常Q波は心筋壊死(特に貫壁性梗塞)を反映する心電図所見であり、壊死部位に対応する誘導に出現する。電気的に活動しなくなった壊死心筋に向かう興奮がなくなるため、反対側からの電気的活動が優位となりQ波として記録される。異常Q波は梗塞治癒後も残存することが多い。
✗ 3.
冠性T波
✗ 正しい。この記述は正しい。冠性T波は左右対称の深い陰性T波であり、心筋虚血・梗塞を反映する所見である。急性心筋梗塞ではST上昇に続いてT波陰性化が出現し、最終的に冠性T波として残存する。亜急性期以降にみられる特徴的な所見である。
✓ 4. 誤り
PQ時間短縮
PQ時間(PR間隔)の短縮は心筋梗塞の心電図変化ではない。PQ時間の短縮はWPW症候群(ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群)にみられる所見であり、心房から心室へ正常伝導路以外の副伝導路(ケント束)を通じて興奮が早く伝わるために生じる。心筋梗塞とは全く異なる病態である。
ポイント
  • 心筋梗塞の心電図変化の3徴は「ST上昇・異常Q波・冠性T波」であり、この3つを正確に覚えること。経時的にはST上昇→T波陰性化→異常Q波→冠性T波の順で変化する。
  • PQ時間短縮+デルタ波はWPW症候群の所見であり、心筋梗塞とは全く異なる病態。混同しないこと。
  • 異常Q波は貫壁性心筋梗塞に特徴的であり、梗塞治癒後も残存するため、陳旧性心筋梗塞の診断にも有用である。
  • 重要用語: ST上昇, 異常Q波, 冠性T波, PQ時間短縮, WPW症候群 を正確に理解しておくこと。
比較表
心電図変化 心筋梗塞との関連 出現時期・対応疾患
ST上昇 あり 超急性期〜急性期
異常Q波 あり 急性期〜(残存)
冠性T波 あり 亜急性期〜(残存)
PQ時間短縮 なし WPW症候群の所見
解説画像
鍼灸 第17回(2009) 問題76|心筋梗塞の心電図変化で誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第17回(2009) 問題76|心筋梗塞の心電図変化で誤っているのはどれか。
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