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理由で解く 臨床医学各論

Q0944 循環器疾患

出典:あマ指 第13回(2005) 問題86
問題
心筋梗塞について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 胸痛は左肩へ放散する。
2 胸痛はニトログリセリンの舌下投与によって消失する。
3 胸痛は30 分以上持続する。
4 心電図でST上昇がみられる。
解答
正解2(胸痛はニトログリセリンの舌下投与によって消失する。)
解説
✗ 1.
胸痛は左肩へ放散する。
✗ 正しい。この記述は正しい。心筋梗塞の胸痛は前胸部の深部痛であり、左肩・左腕・顎・背部などへ放散する(関連痛)ことがある。これは心臓と同じ脊髄分節に支配される領域に痛みが伝わる現象であり、狭心症でも同様にみられる。
✓ 2. 誤り
胸痛はニトログリセリンの舌下投与によって消失する。
心筋梗塞ではニトログリセリンの舌下投与では胸痛は消失しない。心筋梗塞では冠動脈が完全閉塞し不可逆的な心筋壊死が生じており、ニトログリセリンによる冠動脈拡張だけでは改善しない。ニトログリセリンで軽快するのは狭心症の胸痛であり、両者の鑑別に重要なポイントとなる。
✗ 3.
胸痛は30 分以上持続する。
✗ 正しい。この記述は正しい。心筋梗塞の胸痛は30分以上持続し、しばしば数時間に及ぶ。狭心症の胸痛(数分〜15分で消失)とは異なり、持続的で激烈な痛みが特徴である。冷汗や嘔気・嘔吐を伴うことが多い。
✗ 4.
心電図でST上昇がみられる。
✗ 正しい。この記述は正しい。急性心筋梗塞では心電図上でST上昇がみられ、これは超急性期から急性期にかけて出現する重要な所見である。その後、T波陰性化、異常Q波、冠性T波と経時的に変化する。ST上昇は梗塞部位に対応する誘導に出現する。
ポイント
  • 狭心症と心筋梗塞の鑑別で最も重要な2つのポイント:(1)ニトログリセリンの効果(狭心症=有効、心筋梗塞=無効)、(2)胸痛の持続時間(狭心症=数分〜15分、心筋梗塞=30分以上)。
  • 心筋梗塞の胸痛は場所の同定が困難な深部の不快な痛みであり、冷汗を伴い、嘔気・嘔吐の合併が多い。
  • 心筋梗塞では心電図上ST上昇がみられ、これは超急性期〜急性期の重要な所見である。経時的にST上昇→T波陰性化→異常Q波→冠性T波と変化する。
  • 重要用語: ニトログリセリン無効, ST上昇, 放散痛, 心筋梗塞, 狭心症との鑑別 を正確に理解しておくこと。
解説画像
あマ指 第13回(2005) 問題86|心筋梗塞について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第13回(2005) 問題86|心筋梗塞について誤っている記述はどれか。
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