学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ A. 心臓疾患 / Q0902

理由で解く 臨床医学各論

Q0902 循環器疾患

出典:鍼灸 第17回(2009) 問題75
問題
大動脈弁狭窄症で誤っているのはどれか。
選択肢
1 拡張期雑音
2 左室肥大
3 肺うっ血
4 心拍出量低下
解答
正解1(拡張期雑音)
解説
✓ 1. 誤り
拡張期雑音
大動脈弁狭窄症では収縮期に左室から大動脈への血液駆出が障害され、収縮期に駆出性収縮期雑音が聴取される。この雑音は低ピッチの荒い音で、胸骨右縁第2肋間でよく聴かれ、頸動脈まで音が伝播する。拡張期雑音は大動脈弁閉鎖不全症でみられる所見であり、大動脈弁狭窄症では誤りである。大動脈弁閉鎖不全症では拡張早期に高調ではっきりした逆流性雑音が聴取される。
✗ 2.
左室肥大
✗ 正しい。大動脈弁狭窄により左室から大動脈への駆出に抵抗が生じ、左室に圧負荷がかかる。左室は求心性に肥厚し(内腔側への肥厚)、左室肥大を呈する。心電図では左室肥大所見、心エコーでは左室壁肥厚が確認される。
✗ 3.
肺うっ血
✗ 正しい。求心性に肥厚した左室は拡張不全になり、拡張末期の左室圧さらには左房圧が上昇する。その結果、肺静脈圧・肺毛細血管圧が上昇し、肺うっ血が生じる。労作時呼吸困難が出現する主要な原因である。進行すると左心不全を呈する。
✗ 4.
心拍出量低下
✗ 正しい。大動脈弁の狭窄により左室から大動脈への駆出が制限され、心拍出量が低下する。弁口面積が正常の1/3(1cm²)以下、または圧較差が50mmHg以上になると左室流出路に重大な障害をきたす。心拍出量低下により失神やめまいが出現する。
ポイント
  • 大動脈弁狭窄症では収縮期雑音が特徴であり、拡張期雑音は大動脈弁閉鎖不全症の所見である。
  • 左室に圧負荷がかかり求心性左室肥大を呈し、拡張不全により肺うっ血が生じる。
  • 心拍出量低下により失神・狭心症状・労作時呼吸困難が3大症状となる。
  • 重要用語: 大動脈弁狭窄症, 収縮期雑音, 左室肥大, 肺うっ血, 心拍出量低下 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 大動脈弁狭窄症 大動脈弁閉鎖不全症
心雑音 収縮期雑音 拡張期雑音
左室肥大 求心性肥大(圧負荷) 遠心性肥大(容量負荷)
血圧 脈圧減少 脈圧増大
主要症状 失神、狭心症状、呼吸困難 労作時呼吸困難
解説画像
鍼灸 第17回(2009) 問題75|大動脈弁狭窄症で誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第17回(2009) 問題75|大動脈弁狭窄症で誤っているのはどれか。
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