学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ A. 心臓疾患 / Q0923

理由で解く 臨床医学各論

Q0923 循環器疾患

出典:鍼灸 第34回(2026) 問題56
問題
心房細動について最も適切なのはどれか。
選択肢
1 脳梗塞の原因となる。
2 原因に甲状腺機能低下症がある。
3 好発年齢は40歳代である。
4 薬物療法は無効である。
解答
正解1(脳梗塞の原因となる)
解説
✓ 1. 正しい
脳梗塞の原因となる。
心房細動は脳梗塞の重要な原因となる。心房細動では心房が有効に収縮できず、心房内(特に左心耳)に血液がうっ滞して血栓が形成されやすい。この血栓が脳動脈に飛んで脳塞栓(心原性脳塞栓症)を引き起こす。脳梗塞の合併は年間4〜5%であり、心房細動のない人より頻度は約6倍高い。予防にはワーファリンもしくは抗血小板薬による抗凝固療法が重要である。
✗ 2. 誤り
原因に甲状腺機能低下症がある。
心房細動の原因として関連するのは甲状腺機能低下症ではなく、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)である。甲状腺ホルモンの過剰は心筋の興奮性を高め、心房細動を引き起こす。心房細動の原因としては加齢、心房拡大、アルコール、甲状腺機能亢進症が記載されており、甲状腺機能低下症では徐脈が特徴的である。
✗ 3. 誤り
好発年齢は40歳代である。
心房細動の好発年齢は40歳代ではなく高齢者に多い。50代では0.5%程度のまれな疾患であるが、65歳以上で5%、80代では8.8%に増加する。55歳を過ぎると10年ごとに倍加するともいわれ、高齢化社会において最もよくみられる不整脈である。
✗ 4. 誤り
薬物療法は無効である。
心房細動には薬物療法が有効である。洞調律への回復にはアミオダロンが最も有効であり、強心薬(ジギタリス)とカルシウム拮抗薬の併用も洞調律への回復や心拍数のコントロールに有効である。また、持続性心房細動には脳梗塞予防目的でワーファリンもしくは抗血小板薬の投与が行われる。
ポイント
  • 心房細動は心原性脳塞栓症(脳梗塞)の最大の原因であり、左房内の血栓が脳動脈に塞栓を起こす。脳梗塞の合併は年間4〜5%と高率である。
  • 心房細動の原因は甲状腺機能亢進症(低下症ではない)、加齢、心房拡大、アルコールなどである。
  • 心房細動は高齢者に好発し、65歳以上で5%、80代で8.8%と加齢とともに有病率が上昇する。
  • 重要用語: 心原性脳塞栓、抗凝固療法、甲状腺機能亢進症、アミオダロン を正確に理解しておくこと。
解説画像
鍼灸 第34回(2026) 問題56|心房細動について最も適切なのはどれか。 解説図
鍼灸 第34回(2026) 問題56|心房細動について最も適切なのはどれか。
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