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理由で解く 臨床医学各論

Q1390 その他の領域

出典:鍼灸 第34回(2026) 問題55
問題
乳癌について正しいのはどれか。
選択肢
1 男性には発症しない。
2 主な症状は乳房のしこりである。
3 頸部リンパ節に転移しやすい。
4 エストロゲン補充療法を行う。
解答
正解2(主な症状は乳房のしこりである)
解説
✗ 1. 誤り
男性には発症しない。
乳癌は男性にも発症する。乳癌全体の約1%は男性乳癌であり、まれではあるが男性に発症しないとは言えない。男性乳癌は高齢男性に多く、女性化乳房やKlinefelter症候群がリスク因子となる。乳腺に発生する癌、男性にも乳腺組織は存在する。
✓ 2. 正しい
主な症状は乳房のしこりである。
乳癌の主な症状は乳房のしこり(腫瘤)である。腫瘤を触れる。しこりは通常硬く、境界不明瞭で、可動性が悪い。その他の症状として、乳頭分泌や湿疹様びらんをみることもある、皮膚の陥凹(えくぼ徴候)、乳頭の陥没、橙皮状皮膚なども重要な所見である。
✗ 3. 誤り
頸部リンパ節に転移しやすい。
乳癌の主なリンパ節転移は腋窩リンパ節であり、頸部リンパ節ではない。「腋窩リンパ節転移の有無」が臨床病期の決定因子として記載されている。腋窩リンパ節は乳房からのリンパ流の主要な経路にあたり、乳癌の病期分類における重要な指標である。
✗ 4. 誤り
エストロゲン補充療法を行う。
乳癌にエストロゲン補充療法は行わない。ホルモン薬を使用することもある。が、これは抗エストロゲン療法を指す。エストロゲンは乳癌の増殖を促進するため、ER陽性乳癌にはタモキシフェン(抗エストロゲン薬)やアロマターゼ阻害薬を用いる。エストロゲン補充はむしろ乳癌のリスク因子である。
ポイント
  • 乳癌の主症状は乳房のしこり(硬く・境界不明瞭・可動性不良・無痛性)である。
  • リンパ節転移は腋窩リンパ節が主であり、腋窩リンパ節転移の有無は病期決定に重要である。
  • エストロゲンは乳癌の増殖促進因子であり、治療には抗エストロゲン療法を行う。
  • 重要用語: 乳房のしこり、腋窩リンパ節転移、タモキシフェン、エストロゲン受容体 を正確に理解しておくこと。
比較表
乳癌の所見 説明
腫瘤(しこり) 硬く境界不明瞭、無痛性
えくぼ徴候 腫瘍がCooper靭帯を牽引し皮膚が陥凹
橙皮状皮膚 リンパ管浸潤による皮膚浮腫
乳頭陥没 腫瘍による乳管の牽引
血性乳頭分泌 乳管内の腫瘍からの出血
解説画像
鍼灸 第34回(2026) 問題55|乳癌について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第34回(2026) 問題55|乳癌について正しいのはどれか。
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